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中国広東省の広州供電局にある220キロボルト(kV)変電所の高圧室内では、自律移動型の双腕ロボット「鈞儀」が、スイッチギアの巡回点検、ボタン操作、ハンドル切り替えなどの複雑な作業を効率的かつ正確に実行している。
鈞儀は、中国の自律走行搬送ロボット(AMR)大手「優艾智合(YOUIBOT)」が打ち出す汎用人型ロボット「天演」シリーズの1つ。自律学習システムを通じて巡回作業を実行するだけでなく、電力系統管理システムや発電情報システムなどを統合し、運用・保守データを連携させることで、企業の科学的意思決定をサポートする。
2025年11月に広東省・香港・マカオで開かれた「第15回全国運動会」では、事前に現場での検証を完了し、実際に稼働した。強みは高い汎化能力を持つ産業用人型ロボット向けAIモデル「MAIC」で、追加開発を行わずに各種スイッチギアの操作が可能なため、導入コストを抑えられるという。
ハードウエアには全方向高速移動シャシーを採用し、フュージョンSLAMによってミリメートル単位の測位精度を実現。2本の腕の可搬重量は5キログラム、反復操作による位置のずれは±1ミリメートルと高精度で、巡回作業の効率と安全性を大幅に高める。また、マイクロサービスアーキテクチャに基づいた設計により、迅速なバージョンアップや機能拡張が可能。変電所やデータセンターなどでの無人運用に対応できる。
YOUIBOTは、世界をリードする産業用AIロボット企業で、半導体やエネルギー化学、電子機器、新エネルギー、自動車などの産業向けにソリューションを提供している。調査会社フロスト&サリバンによると、2024年の売上高は、産業用の自律移動型点検作業ロボットで世界首位、半導体産業向けでは中国首位だった。
(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)
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