過酷環境に耐える産業センサーの中国新興、初の資金調達で20億円 「国産化」の波に乗って受注急増

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産業用高性能センサーを開発する「安徽鋭核電子科技(Anhui Ruihe Electronic Technology)」(以下、鋭核電子)がこのほど、初の資金調達で1億元(約20億円)近くを調達した。出資は協立資本(Xieli Capital)が主導し、中国兵器工業集団(Norinco Group)傘下ファンドなども参加。資金は販路拡大や新製品の開発、人材採用に充てられる。

2024年4月に設立された鋭核電子は、上海交通大学出身の精鋭チームによって構成されている。「電磁マイクロアコースティック(EMMA)」のコア技術をベースに、インダストリアルIoT(モノのインターネット)向けの高性能なセンサーを開発している。アコースティックセンサーや識別デバイス、パルスレーダー、耐熱アンテナなどの製品は、電力、鉄鋼・冶金、製薬、軌道交通といった分野で幅広く活用されている。

EMMA技術は、圧電材料と微小電気機械システム(MEMS)をベースとするプラットフォーム型のセンサー技術で、電源不要、無線、耐熱・耐冷性(マイナス200度~プラス1600度)、マルチパラメータ、耐干渉性、高精度検知の特長を有し、過酷な産業現場で活用されている。

同社は温度センサー、圧力センサー、高温検知システムの三大製品ラインを展開し、電力供給の国家電網(State Grid)、鉄鋼の宝武集団(BAOWU)、ガラス製造の福耀玻璃(Fuyao Glass)、発電の華電(Huadian)など大手企業を顧客としている。

張晨睿会長兼CEO(最高経営責任者)は、「鉄鋼・冶金分野向けの高温検知システムは、350度以上の環境下で99.99%の精度を誇り、世界トップ水準にある」と胸を張る。

また、アコースティックセンサーは従来の半導体センサーに比べ、極めて低温の環境でも安定した性能を発揮すると説明。「半導体デバイスはマイナス70度以下で動かなくなることが多いが、当社のセンサーは安定的に稼働する」という。

中国では今、ハイエンドセンサーの自国生産を急ぐ「国産化」が加速している。同社は既に、送電大手の国家電網(State Grid)や鉄鋼最大手の宝武集団(BAOWU)、ガラス大手の福耀玻璃(Fuyao Glass)など、中国を代表する基幹産業の大手企業を顧客に抱えている。

2025年の売上高は約7000万元(約15億円)、純利益率は20%を超える見通しだ。さらに、国有企業からの引き合いも強く、2026年の受注は前年比で倍増すると予測されている。

張会長は、産業用センサーの未来を「ハイエンド製品の国産代替」「AIとの融合」「製造エコシステムの確立」の3点に集約されると指摘する。同社は今後、売上高の最大10%を研究開発に投じ、原子力発電や航空宇宙、軍事といった、より高度な信頼性が求められる「過酷な環境」への製品供給を本格化させる方針だ。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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