光計算チップ出荷量で世界首位の曦智科技、香港IPOで問われる商用化の実力

光電融合技術を開発する中国のスタートアップ企業「曦智科技(Lightelligence)がこのほど、香港証券取引所に上場を申請した。2025年のシリーズC4調達後、同社の企業評価額は78億元(約1800億円)に達した。株主には、騰訊控股(テンセント)、バイドゥ(百度)、中国移動通信(チャイナ・モバイル)などが名を連ねている。

曦智科技は2017年に設立され、光ネットワークと光コンピューティングに注力。光電融合技術を研究開発の段階から産業活用の段階に前進させ、光電融合コンピューティングに特化したユニコーン企業に成長した。米調査会社フロスト&サリバンのデータによると、光コンピューティングチップの累計出荷量は世界首位だという。

2024年末、米国の輸出規制の強化を受け、同社はチップ生産を中国国内のファウンドリー(受託製造企業)へ移管した。今回の香港上場には、光コンピューティング製品の大規模商用化に向けた資金を確保する狙いに加え、米中デカップリング(分断)が進むなかで、地政学リスクに左右されない安定的な資金調達基盤を構築する意図があるとみられる。

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曦智科技の中心となる技術は、データの伝送と計算に電気信号ではなく光信号を用いる点にある。従来の電気接続(インターコネクト)方式と比べ、同社の光学ソリューションは遅延を約20分の1に低減し、エネルギー効率を5.4倍、接続密度を12.2倍にまで向上させた。大規模モデルによる推論では、同社の光マトリクス演算技術により、特定演算の処理時間をマイクロ秒単位から約3ナノ秒へと短縮し、これまでのコンピューティングとは数桁異なるパフォーマンスを実現している。

主力製品「光躍(LightSphere X)」は、GPUスーパーノード接続向けとして世界初となる、分散型光回線交換ソリューションであり、モデルの演算能力利用率(MFU、Model FLOPs Utilization)を50%以上向上させることができる。その革新性が高く評価され、2025年の世界人工知能大会(WAIC 2025)では「SAIL賞」を受賞した。

業績面では、売上高が2023年の3800万元(約8億7400万円)から、24年は6000万元(約13億8000万円)、25年には1億600万元(約24億3800万円)と、3年間で約3倍に拡大した。一方で純損失も拡大しており、同期間の純損失はそれぞれ23年が4億1400万元(約95億2200万円)、24年が7億3500万元(約169億500万円)、25年が13億4200万元(約308億6600万円)に達した。研究開発費用も極めて高く、商用化は依然として立ち上げ段階にあることが読み取れる。

*1元=約23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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