ゴミの分別回収の課題と需要の拡大に「一桶手」がQRコード機能付き無人回収機を導入
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ゴミのリサイクルを専門とする中国のローカル企業「一桶收(イートンショウ)」は、さまざまな種別のゴミに対応する無人回収機を住宅街に設置。有償でゴミを預かることで、ゴミの分別や回収といった大きな課題の解決を図ろうとしている。
絶対的なニーズ、薄い利益というゴミ回収の現状
一般家庭から出るゴミの回収は、頻度が高く絶対的な需要があるが、そこから得られる利益は少ないといった特徴がある。一方で、ゴミのリサイクル市場は非常に大きく、中国商務部のデータによると、2017年のリサイクルごみ主要10項目の回収量は2.82トンにのぼり、価格にして7550億7000万元に及ぶという(※2018年7月現在、1元=16~17円)。
しかしその一方で、個人から出るゴミの回収利益は低く、物流コストは非常に高い上に、ゴミのほとんどがきちんと分類されておらず、追加の処理コストが更にかさむのが現状だ。そのため、住宅街のゴミ回収事業に取り組もうとした一部のO2Oスタートアップ企業は、最終的にB2B向けの事業に方向転換している。
ゴミ出しはQRコードを貼ればOK ~AI導入の無人回収機~
今のところ、ゴミの回収はAI回収機によるものが最善の方法とされている。分散している個人ゴミの廃棄を1ヶ所に集めることで、管理コストを抑えられるからだ。少し前、ゴミ無人回収機の事業者「小黄狗(シャオフアンゴウ)」が、シリーズAラウンドで10億5000万元の資金調達に成功したのも、このことを裏付けしている。
しかしゴミをどう分類し、どう回収するかは企業によって大きく異なる。一桶收が考案した方法は、QRコードを利用した回収。ゴミ袋にQRコードを添付してゴミを捨てる方法だ。ユーザーはまずQRコードのついているゴミ袋を手に入れるか、QRコードのシールを入手して、これから捨てようとしているゴミ袋に貼る。QRコードを携帯でスキャンして何を捨てるかを記入し、ゴミを袋に詰める。今度はゴミ回収機にあるQRコードを読み取って、そのまま回収機へとゴミを捨てる。ゴミは重さによって金額が計算され、顧客はWe Chat(微信/中国のSNSツール)を通じて受け取るようになっている。

課題は分別作業
ゴミの分別種類に関していうと、一桶收はゴミの種別ごとに専用のQRコードを提供しており、ユーザーはあらかじめ自分の手でゴミを分別してそれぞれの袋に詰める必要がある。ゴミの種別については、回収してくれる事業者さえいれば、いつでも新しく分類を追加し、それに対応した新しいQRコードを発行することができる。
また、開発者の叶志徐(イエ・ジーシュー)氏は取材に対し、一桶收はユーザーのゴミ分別の有無について、賞罰制度を導入すると話した。例えばユーザーが捨てたゴミの種別と、ゴミ袋に添付したQRコードの種別が異なる場合、そのユーザーは注意や警告を受け、さらに悪質な場合にはアカウント凍結という厳罰処置を行うこともあるという。
回収作業はワンストップで終了
ゴミの回収に対しては、一桶收はあえて社内にチームを持たず、外部から一般の回収事業者に委託するつもりだ。叶氏が言うには、既存のゴミ回収システムは比較的に完成されているし、一桶收はあくまでAI機能を駆使して回収事業者と一般家庭との接点を取り持つ役割を担うのが使命だからだ。ゴミ回収事業者は1つ1つの家庭を訪問する必要なく、ワンストップで大量の再生資源を回収できるので、少々コストがかかってでも契約しようとする。
さらなる目標は、エリア拡大と生ゴミ再利用
一桶收はゴミの回収差額から利益を生み出しており、現段階ですでに福建省の10以上の住宅街で最新機器を試験運用している。回収機1台あたりの価格は1000元台。1台あたり日平均20キロ以上のゴミを回収できるので、7~10ヶ月で購入費用を回収できる計算だ。同時に機器のリース業務も準備しており、2019年の上半期までに1都市全体で展開する予定。その都市から出る生活ゴミの20~30%をカバーできたらと考えている。
また、はいずれ生ゴミの問題にも取り組もうとしている。独自に開発した技術を利用し、ゴミ袋の内側に生ゴミを分解する細菌をびっしりと仕込む。そして生ゴミの発酵・分解を促し、そこから家畜飼料の原料に加工することを計画している。
過去に一桶收は、個人投資家から数百万元の資金調達に成功している。現在も再び調達中で、集めた資金は主に設備投資とその設置に投入されるとみられる。