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3カ月前、アリババ傘下のECプラットフォーム「淘宝(タオバオ、taobao)」は、低価格を謳うECアプリ「淘宝特価版」をローンチした。現在、同アプリの月間アクティブユーザー数は4000万を超えている。さらに、今年のダブルイレブンに合わせて、「1元(約15円)キャンペーン」を行うことが発表された。10月10日から11月11日まで、送料込みで1元(約15円)の商品を1億点用意するというものだ。
このキャンペーンや、淘宝特価版の目的について、タオバオのC2M(Customer-to-Manufactory、「消費者から製造者へ」の略)事業部のマーケティングディレクターの鄭靚氏に話を聞いた。以下がその抜粋である。
ーー送料込みで1元(約15円)は赤字だと思いますが、タオバオ、製造者のどちらが負担しているのでしょうか。
「タオバオと製造者の両方が一部負担している。事前にメーカーとは相談しており、無理してキャンペーンに参加しなくてもいいと伝えている」
「実際のところ、多くのメーカーが協力的だ。今年6月にも一回同様の試みをしたことがあったが、反応は非常によかった。なぜなら、1元(約15円)という低価格で消費者に商品を知ってもらえれば、それによって同じ製造者のほかの商品の購入につながるからだ」
「これはリピート購入を前提とした戦略であり、単に低価格を追求したわけではない。同じことは淘宝特価版のアプリ全体についても言え、このアプリのレコメンド機能は、リピート率を非常に重要視している」
ーーリピート購入につながるような人気商品はどのように生まれるのでしょうか。
「例を挙げよう。新型コロナが発生した頃、当社と提携している消毒用品の工場があり、液体エタノールのみを製造していた。そのとき気づいたのが、液体エタノールと消毒スプレーとでは、購買層が全く異なるということだ。そこで、この工場に対し、生産ラインを一部変更し、消毒スプレーも製造することを提案した。その結果、1日でこれまでの3カ月分の売り上げを記録した」
「これがC2Mの典型的な成功例であり、人気商品はトレンドをいち早く見つけることで生まれる。この工場はもともとデジタル化を検討しており、今回の成功をきっかけに、工場内でデータセンターを作り、当社と協力して市場のトレンドをより正確に把握していきたいとしている」
ーー潜在的なトレンドをどのように見つけるのでしょうか。
「アリババが持つビッグデータの活用が重要だ。アリババにはすべての分野における費者のデータとメーカーのデータがあり、消費者の変化や、メーカーの開発状況によって、トレンドを見極めている」
ーーこれは企業のデジタル化を支援しているとも言えますが、全面的なデジタル・トランスフォーメーションの支援なのでしょうか。それとも一部のデータの共有のみなのでしょうか。
「デジタル・トランスフォーメーションは簡単ではないので、タオバオではなく、アリババクラウドや、オフィスツールの『釘釘(DingTalk)』がそれを担当している。淘宝特価版が行っているのは、データの共有だ」
「といっても、データをそのまま渡しているわけではない。事前にこちら側でトレンドを判断し、使いやすいように処理したデータを提供している」
ーーデータのほか、淘宝特価版はメーカーにどのような支援を提供しているのでしょうか。
「これはC2Mの核心でもあるが、消費者と市場を理解することを助けている。わかりやすく言えば、メーカーが簡単にマーケティングできるようにしているということだ。ほかにも、生産をサポートする物流、金融サービスの提供が可能だ」
ーー淘宝特価版が今後、名称変更する予定はあるのでしょうか。
「ダブルイレブンの間にそうする可能性がある。そうなれば、ロゴも変更されるだろう。」
(翻訳:小六)
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