フォロワー数90万人の中国人向け日本情報メディア「東京新青年」が2000万元の資金調達
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2018年7月3日、在日・訪日中国人向けにファッション・芸能・時事など日本の情報を提供する中国語メディア「東京新青年」が、プレAラウンドによる2000万元(約3億3,000万円)の資金調達に成功したことがわかった。個人による出資だという。(※2018年7月現在、1人民元=16~17円)
1人の留学生が立ち上げたメディア
日本では新聞やテレビなど既存の大手メディアがいまだ幅をきかせており、小規模なWEBメディアに関してはそれほど周知されていない。かつて留学生として中国から来日した王宇龍(ワン・ユーロン)氏は、在日中国語媒体でインターンとして従事していた際、在日中国人コミュニティーがおよそ80~100万人の規模に達していること、彼らの情報収集源が「中国新聞」のような華人系のメディアに集中していることに注目した。ただし、おおかたの日本の新聞が日刊であるのに対し、華人系新聞社は基本的に月刊のため、読者がタイムリーに最新の情報を受け取ることは困難だった。
2014年ごろ、中国国内では「中国版LINE」とされる微信(WeChat)や、「中国版ツイッター」といわれた微博(ウェイボー)などのソーシャルネットワークが普及してきた。この波が在日中国人にも及んだタイミングで、王氏はメディア関連に従事した経験を生かして、自社メディア「東京新青年」を立ち上げた。
「近くにいる友達」からフォロワーを拡大
立ち上げ当初、微信に開設した公式アカウントでは主に、就職や留学関連の情報発信に重きを置いていた。
王氏は就学期間中、中国留学生会の会長を務めていた。当時は多くのオフ会を主催しており、こうした場で多くの留学生仲間にアカウントのフォローを求めた。彼らの多くは就職活動の際に彼の発信する情報を参考にしたという。また、こうした口コミ以外でも、王氏は効率的に周知される工夫を凝らした。当時、微信では付近にいる友達を探す「Rador」という機能が公開されたばかり。王氏は地下鉄に乗車するときは、各駅でこれを使った。そのおかげで、1日あたり500~600人のフォロワーを獲得することができたという。
2015年4月、「東京新青年」は約5万人のフォロワーを獲得した。
インバウンド情報、起業情報まで拡大
その後、王氏は正式に起業。「コロンブス・メディア」を立ち上げると同時にさまざまな分野の情報を発信してきた。例えば日本での起業にまつわる情報。日本で起業すれば、政府の支援も手厚く、ビザを獲得することもできるからである。また、基本的に日本の生活情報をベースにしながら、訪日観光客の増加を受け、日本各地の有名観光地やグルメ情報、おみやげ品などを紹介している。
2018年2月、「東京新青年」は累計90万人近いフォロワーを獲得した。その内、35%が在日中国人で、訪日旅行者が65%を占めているほか、少数だが日本人も含まれる。
アプリ「Hi日本」立ち上げ~情報発信から生活サービスへ~
メディアが利益を得る最も直接的な方法は広告である。王氏によると、東京新青年では日本の大手化粧品メーカーから多数の引き合いがあるという。ただし、広告で伸びる可能性は先が見えている。一定数のフォロワーを抱える現在、東京新青年ではただ情報を提供するだけではなく、さらに生活サービスの提供へ拡大していくことを考えている。
そして、在日中国人の生活上の需要に応えるため「Hi日本」という新しいアプリをローンチしている。主なサービスは以下。
1)ネット通販:貿易会社と提携して、中国の調味料など食品を販売するサービス。
2)就職情報:広告形式で企業の求人情報を掲載する。
3)不動産情報:仲介業者として審査を経た物件の情報を掲載し、契約成立後に手数料を徴収するシステム。
4)中古品売買サービス:中国国内の「閑魚」「転転」に類するサービス。

現在「Hi日本」はまだテスト段階で、iOS版のみ公開しているが、すでに3万人近いダウンロード数を記録。追って、アンドロイド版や微信ミニプログラム版を公開する予定だ。
「東京新青年」概要
情報によると、創業者兼CEOの王宇龍氏は2014年に東洋大学・メディアコミュニケーション学科を卒業。協同創業者の候振槳 (ホウ・ジェンジャン)氏は2010年に名古屋大学を卒業し、2011年に貿易会社を設立、2013年に王氏と「東京新青年」を立ち上げた。もう1人の協同創業者・王文健(ワン・ウェンジエン)氏は2010年に留学生として来日、2016年にデザイン会社を創設。2018年に「東京新青年」に合流した。
会社は2015年に黒字化を実現し、現在のメンバーは合計15名前後。得意先は、資生堂やカネボウ、雪肌精(KOSE)、SK-II(P&Gプレステージ)、セブン銀行、Panasonic、東芝、ユニクロ、阿里巴巴集団(アリババグループ)系列の旅行サイト飛猪(フリギー/中国)などである。今回の融資は主に新サービスの開発にあてる模様だ。
