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米国の生鮮食品Eコマース「GrubMarket」が、シリーズDで6000万ドル(約63億円)を調達した。出資者は「ブラックロック(BlackRock)」「丸紅ベンチャーズ」「SAIC(上海汽車集団)」などに加え、既存株主の「GGVキャピタル(紀源資本)」「デジタルガレージ」「スクラムベンチャーズ(Scrum Ventures)」なども追加出資した。
同社の創業者兼CEOの徐敏毅氏は、数カ月以内に上場を申請する予定で、既に幹事証券会社と商談を進めていると述べた。
GrubMarketは2014年に設立されて以来、総額1億5000万ドル(約160億円)を調達してきた。主な資金調達は以下の通り。
2015年1月:シードラウンドでYコンビネータやGGVキャピタルなどから210万ドル(約2億2000万円)
2015年9月:シリーズAで「Kinzon Capital(昆仲資本)」やYコンビネータ、バッテリー・ベンチャーズ、GGV Capitalなどから1000万ドル(約10億円)
2016年8月:シリーズBで「Sound Ventures」などから2000万ドル(約21億円)
2018年7月:シリーズCでGGVキャピタルなどから3200万ドル(約34億円)
2019年4月:シリーズC+で「WI Harper Group」やデジタルガレージなどから2800万ドル(約30億円)
GrubMarketの本社は米カリフォルニア州にある。農家と消費者を直接結び付け、新鮮な野菜を直接消費者に届けている。設立当初は一般消費者が主な対象だったが、徐々にビジネスユーザーにシフトし、現在ではB2B事業が同社事業の75%を占めている。
徐CEOはGrubMarketと同業他社との最大の違いについて、同業他社が卸売市場から買付しているのに対し、当社は農場から直接買付しているため、粗利益率を高くできることだと述べる。
現在GrubMarketを利用している事業者には、米大手スーパー「ホールフーズ・マーケット」「クローガー」「アルバートソンズ」「セイフウェイ」「スプラウツ・ファーマーズ・マーケット」など500店以上のチェーンストアのほか、レストラン8000店舗が含まれる。
米大手生鮮Eコマース「ブルーエプロン」「ハローフレッシュ」なども同社を利用する。さらにはアップル、グーグル、フェイスブック、ツイッターなどの有名企業、病院、学校、銀行、法律事務所、政府機関などのオフィス2000カ所以上でも利用されている。
GrubMarketは2018年に黒字転換を果たし、年間利益は2019、2020年ともに前年比100%以上の増加となっている。Covid-19流行期間中、スーパーマーケットへの農産物供給は月を追うごとに増加し、生鮮食品Eコマースへの供給量では新記録を出した。自社で運営する消費者向け生鮮食品Eコマース事業の収益も前年比3〜5倍に増加した。GrubMarketは自社管理倉庫を13カ所増設して(合計25カ所)、サンフランシスコ・ベイエリア、ロサンゼルス、サンディエゴ、シアトル、テキサス、ミシガン、ボストン、ニューヨークで営業している。
過去2年間に、同社がロサンゼルス地域での5件を含む15件以上の買収を成功させたことにも言及しなければなるまい。現在、GrubMarketはカリフォルニア州の果物、野菜、キノコ、肉などを扱う主要食品サプライヤーである。
GrubMarketはまた、農場主や卸売業者の販売管理、在庫管理、財務管理、人事管理を支援する食品業界サプライヤー用SaaSソフトウェアをも開発した。2020年の同社SaaSソフトウェアの売上高は前年比8倍以上増加し、数億ドル(数百億円)分の食品卸売管理を支援している。
今後、GrubMarketは収益性を維持しつつ、販売網を米国全土にまで拡大し、上場を目指す。徐CEOは、現在数億ドルの年間売上を15~20年以内に1000億ドル(約10兆円)以上に成長させることが最終目標だと述べている。(翻訳:永野倫子)
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