AIによる関節置換術支援の「長木谷」が96億円調達、著名専門家の執刀経験を集約

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整形外科関連のAI(人工知能)を手がける「長木谷医療科技(Changmugu Medical Technology)」がシリーズBで5億4000万元(約96億円)を調達した。出資を主導したのは中金資本(CICC Capital)傘下の医療分野専門ファンド「中金啓徳基金(CICC Qide)」、「IDGキャピタル」、「鼎暉投資(CDH Investment)」のベンチャー・グロース・キャピタル(VGC)部門。創業者の張逸凌CEOによると、調達した資金は主に手術支援ロボットの新製品開発やマーケティングのグローバル展開などに充てる。

長木谷は2018年に米ハーバード公衆衛生大学院(HSPH)のキャンパス「ロングウッド・メディカルエリア」とスタンフォード大の所在地シリコンバレーの2カ所で設立された。現在は北京市の経済技術開発区に本社を構え、整形外科分野へのAI活用や手術支援ナビゲーションに関するソリューションを提供する。長年にわたり整形外科に特化したAIやデジタル化システムの開発を手がけており、診断支援から個別の手術計画、ロボットによる手術支援、術後評価までを一体化させたAIのソリューションを医療機関に提供している。

今回同社に出資したIDGキャピタルで医療分野を統括するエグゼクティブ・ディレクターの劉羿焜氏は、「中国は人口が多く、高齢化が進んでいる。人工関節置換術の需要も日増しに高まるが、従来の手術方法は難易度が高く時間もかかるうえ、あらゆる病院で実施できるものではない。こうした事情を背景に、高効率で迅速かつ簡便な外科手術のデジタル化ソリューションが将来の発展の方向性となってくるだろう」と述べている。

長木谷は自社の開発チームに加え、国家整形外科・運動器リハビリテーション臨床医学研究センターや清華大学と緊密に連携。北京、上海、西安、成都、広州などの三甲医院(中国の医療機関で最高等級に位置づけられる病院)の整形外科の専門家らとも提携し、彼らの豊富な執刀経験から標準化されたアルゴリズムを構築して、人工関節置換術の全過程を網羅するシステム「AIJOINT」を開発した。AIJOINTは中国の29の省・直轄市・自治区にある400以上の三甲医院に導入されている。

長木谷はさらに中国内外で特許権およびソフトウェア著作権約160件を取得しており、膝関節・股関節置換術の3D術前計画システム「AIHIP」「AIKNEE」や手術支援ロボットシステム「ROPAplasty」をリリースしている。

今年7月にはジョンソン・エンド・ジョンソンと中国整形外科分野における戦略パートナーとなり、AIJOINT事業で全面提携した。AI、機械学習、ビッグデータなどの最先端技術を通じて、最高の専門家による執刀経験からアルゴリズムを構築し、深層学習やトレーニングを進め、精密な臨床向けソリューションとして提供していく。両社は2019年にもAIを用いた関節外科の3D手術のプロジェクトを立ち上げている。
(翻訳・愛玉)

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