蓄電池用PCS新興メーカー、EVの電力供給「V2G」にも対応へ

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蓄電池用PCS新興メーカー、EVの電力供給「V2G」にも対応へ

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蓄電池用パワーコンディショナー(PCS)メーカーの「深源技術」が今年3月、エンジェルラウンドで数千万元(数億円)を調達した。出資者は聚合資本(Join Hands Capital)。創業者の向小路氏によると、調達資金は人材採用と製品開発に充てられる。

2020年8月に設立された深源技術は研究開発に力を入れている。これまでに特許協力条約(PCT)に基づく2件の国際出願を含む計8件の特許を出願し、今年も3件以上のPCT出願を含む計10件以上の特許を出願する方針だ。同社の1~100kW蓄電池用PCSは96%を超える変換効率に加え、高周波絶縁型双方向変換、充電、系統連系、オフグリッド、超広範囲電圧対応の機能を備えている。

蓄電システムでは、コストの50%以上をリチウム電池が、15~25%をPCSが占めている。向氏によると、同社は自社開発の高周波絶縁型双方向変換のPCS技術を通じて蓄電システムの効率を高め、安全性と電池の寿命に関するソリューションを提供できるという。

例えば容量を増やすことが難しいリチウム電池に対し、同社は高周波絶縁型AC/DCもしくはDC/DCコンバータを通じて容量を無限に拡大できるという。また、高周波変圧器が電池を危険電圧から守ることで安全性を確保。さらに同社の特許技術によってリチウム電池のセルバランスによる容量低下と寿命短縮の問題も解決した。

同社は整流、系統連系、オフグリッド、高周波絶縁型双方向変換などの技術を一体化した技術プラットフォーム「SymCon」を構築。これをベースにユーザーのさまざまな蓄電ニーズに対し、製品開発の難易度を下げて迅速な改良を可能にすると同時に、製品の標準化を実現した。

事業戦略を見ると、モビリティ、緊急災害対応、石油から電力への転換といった国内外のニーズに対応し、オフグリッド、家庭、産業の蓄電システムという3つの市場をターゲットとしている。今年上半期にオフグリッド用に10種類のPCS、来年には家庭用と産業用のPCSを発売する計画だ。

また、電気自動車(EV)を動く蓄電池とみなし、電気自動車に蓄えられた電力を電力会社が管理する電力網に供給する「V2G(Vehicle to Grid)」においても、今年下半期に20kW三相高変換効率PCSの発表を計画している。分散型電源のようなV2Gでは、電気自動車の所有者は将来的に電力を販売できるようになるだろう。向氏によると、電気自動車の普及につれて充電に要する電力が増えれば電力網の負荷も大きくなり、発電所の増設や新たな対策が必要となるため、V2Gは今後電力網の課題を解決するための重要な考え方となる見通しだ。

深源技術の創業メンバーには、フォーチュン誌の世界企業番付にランクインする米エマソン・エレクトリックやファーウェイ(華為技術)などの出身者がおり、研究開発担当者は平均15年以上の実務経験を有する。創業者の向氏は通信基地局用電源、太陽光発電系統連系インバータ、充電スタンド用電源システムなどの開発や創業に携わってきた。
(翻訳・大谷晶洋)

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