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AIで3Dコンテンツを生成するデジタルブランド「AVAR」がエンジェル+ラウンドで奇績創壇(MIRACLE PLUS)から出資を受けた。設立わずか1年だが、すでに3回の資金調達を実施したことになる。
AVARはファッション性が高くトレンド感のある若者向けデジタル消費財を手がけ、すでにデジタルファッション、デジタルアートトイなどを発売している。ユーザーは自由にデザインを組み合わせ、自身のアイディアをシステムにインプットできる。AIはインプットされたアイディアを反映してテクスチャーマップを作成し、リアルタイムで3Dモデルを成形。二つとないオリジナル商品を完成させる。
AVAR創業者の胡雅婷氏は「未来はバーチャルとリアルが融合した世界になると我々は確信している」と述べ、「我々はWeb3D(デバイスやOSを問わず、Webブラウザで3Dオブジェクトを表示する技術)を基礎として、ユーザーとバーチャルプロダクトがリアルタイムで相互に連動し、ユーザーがARカメラを使ってバーチャルファッションを身に着けて楽しめるようにした」と説明した。AVARプラットフォームではユーザーが自分自身のアバターを制作し、購入したデジタルファッションをアバターに着せられるほか、3Dプリンターを使って実際に自分用の服として仕立てられる。
AVARのデジタルファッションはこれまでにファッション誌Harper’s BAZAARや人気女性ラッパーNINEONE#(乃万)のアルバムジャケットなど多くのメディアで披露されてきた。さらに、中国国際ファッションウィークではスポーツブランド「特歩(XTEP)」「安踏(ANTA)」などとコラボレーション商品を発表。その他にも児童向けアニメ「舒克貝塔」やコンピューターゲーム「Plants vs. Zombies」などの有名IPとコラボしたアートトイを発売している。
独自の販路に加え、提携する大手メーカーの販路があるため、AVARはすでに1万人を超える有料ユーザーを有し、GMV(流通取引総額)も100万元(約1900万円)を超えている。主なユーザーは若者だ。胡氏は「3DとXR(クロスリアリティ)の技術を用いたデジタルアセット体験は、将来のメタバースで主流の消費形式となってくるだろう」と述べている。
AVARでは、AIGC(AI生成コンテンツ)の制作をデザイン・モデリング・テクスチャーマッピング・レンダリングの4段階に分けて支援する。
デザインではAIを取り入れることでデザイナーや原画担当者が何度も修正を加える必要がなくなり、画像生成AIのimg2img(画像とテキストによる指示で画像を生成する機能)がデザイン画を大量に作成し、スピーディーにテスト販売まで漕ぎつけるようになった。
3Dモデリングでは手作業によるスカルプティングやポリゴンモデリングが不要になり、プログラム化されたフレームワークで一つひとつのモデリング操作がコマンド化され、高品質の3Dアセットを大量に生成できる。ここで形成されたデジタルアセットのライブラリーは、3DモデルライブラリーとしてNeRF(複数の視点で撮影された画像をもとに自由視点の3D画像を生成する技術)のトレーニングに用いられる。
テクスチャーマッピング(質感の付与)では、これまで手作業や専用ソフトで行っていたものを、さまざまなスタイルのテクスチャーマップを学習させることで3Dモデル一つひとつに固有のテクスチャーを与えられる。
レンダリングでは、これまで用いられてきたレンダラーに替わり、AIレンダリングでさまざまな作風が表現できるようになった。
AVAR創業者の胡雅婷氏は「00後(2000年代生まれ)」で、北京大学コンピューター科学技術学科を卒業。情報科学の競技会で全国優勝し、最優秀女性選手に選出された経歴がある。これまでにグーグル、アリババグループ、バイトダンス(字節跳動)でアルゴリズムエンジニアを務めてきた。
(翻訳・山下にか)
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