中国発人型ロボット「UBTECH」、香港上場を申請 世界40カ国・地域でサービス提供

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人型ロボットを開発する中国のスタートアップ企業「優必選科技(UBTECH Robotics)」は先月31日、香港証券取引所に目論見書を提出し、「人型ロボットを手掛ける初の上場企業」になるべく前進した。

UBTECHはコンピュータビジョン、音声対話、サーボドライバー、運動計画・制御、測位・ナビゲーションなどの幅広い技術を有する世界でも数少ない企業の一つだ。プログラミング教育ロボット「Jimu Robot」、人型ロボット「Walker」、四足歩行ロボット「拓荒牛」など教育、物流、接客、警備・清掃など多様な業界・シーンをカバーするインテリジェントロボット製品やソリューションを提供している。2012年の設立以降、IT大手のテンセント、AI企業の科大訊飛(iFLYTEK)、VCの啓明創投(Qiming Venture Partners)、中国工商銀行(ICBC)などの出資を受け入れてきた。

米調査会社フロスト&サリバンによると、同社は消費者市場向けに複数のサーボドライバーを搭載した多関節型サービスロボットを世界で最初に展開した企業の一つで、二足歩行が可能な等身大の人型ロボットを中国で初めて事業化すると発表した企業でもある。

目論見書によると、同社の売上高は2020年度(1〜12月)が7億4000万元(約140億円)、21年度が8億1700万元(約160億円)、22年度第1~3四半期(1〜9月)が5億2900万元(約100億円)に上り、売上高総利益率はそれぞれ44.7%、31.3%、30.7%だった。一方、純損失はそれぞれ7億1000万元(約137億円)、9億2000万元(約178億円)、7億8000万元(約150億円)だった。

特筆すべきは、年間売上高に対する研究開発費の割合が平均60%に達することだ。フロスト&サリバンによると、同社はインテリジェント・サービスロボットのソリューションプロバイダーとしては特許取得件数が中国最多で、22年12月31日時点の特許取得件数は1500件以上、うち海外特許は300件を超えている。

事業部門別では、企業向けロボット製品およびソリューションが売上高の約9割を占めており、主にインテリジェント教育ロボット製品・ソリューション、スマート物流ロボット製品・ソリューション、その他業界向けインテリジェントロボット製品・ソリューションを販売している。同社は2022年9月30日時点で世界40以上の国と地域でサービスを提供、約1000社の顧客企業を抱え、計50万台のロボットを販売した。

販売地域別で中国は売上高の平均85%以上と大部分を占めている。海外では主に米国、韓国、アラブ首長国連邦、タイで売り上げを計上している。人型ロボットのWalkerは中国を代表する「硬技術(ハード&コアテクノロジー)」として、2021年に開催されたドバイ国際博覧会の中国館で累計1200時間以上働き、延べ1000回の接客業務をこなした。Walkerはサウジアラビアの未来都市プロジェクトにも輸出されている。

データによると、中国は世界市場においてインテリジェント・サービスロボットのソリューションで30%のシェアを握り、現時点で世界最大のロボット市場となっている。UBTECH は「ロボット+(プラス)」時代を迎える中、人型ロボットの幅広い技術を軸にインテリジェント教育、スマート物流、スマート療養などのロボット製品とソリューションを展開することで、ロボットの「テクノロジーツリー」を構築すると共に大規模な事業化を継続して「RaaS(Robot as a Service)」の開発を進めている。

(翻訳・大谷晶洋)

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