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空港向け自動運転車を手がける「清維如風科技」がこのほど、エンジェルラウンドで数千万元(数億〜十数億円)を調達した。出資を主導したのは清華大学の持株会社・清華控股(Tsinghua Holdings)傘下の清控天誠で、同じく清華大学系の匯栄投資(Huirong Investment)なども出資に参加した。調達した資金は組織拡大や製品開発、プロジェクト運営に充てる。
清維如風科技は2022年9月に設立され、空港で働く車両のレベル4自動運転機能の開発とデジタル化運営プラットフォームを手がける。空港内の物流を無人化、デジタル化するためのワンストップ型ソリューションや、自動運転用ソフトウェアやハードウェアの技術、空港用特殊車両を提供している。
清維如風科技の楊海松CEOによると、同社は自動運転が可能な空港向けの特殊車両をすでに2種類開発して複数の空港で試運転を行っており、年内に10カ所以上の空港に拡大する予定だ。
空港内の運搬業務は無人運転車両の導入シナリオの一つだ。自動運転に10年近く携わってきた楊CEOによると、無人運転は区切られた敷地内を低速で移動するようなシーンで最も実用化しやすいという。ただし、すでに多くの企業がしのぎを削る港湾や鉱山などと比べ、空港用車両の自動運転化は遅れていて、現在も空港で働く特殊車両はせいぜい一部が電動化しているにとどまり、空港内の運搬業務のスマート化は遅々として進んでいない。
しかし、空港もスマート化に本腰を入れる段階に来ている。港湾の場合と同様、そのけん引力となっているのが政策支援だ。近年、中国民用航空局などの政府機関はスマートエアポートの建設を進める文書を複数発表し、空港でIoTやオートメーションなどの技術を導入するよう呼びかけてきた。
中国には現在500カ所以上の空港があり、21カ所が超大型空港、100カ所が大型空港だという。楊CEOによると、空港用車両に対する需要は主に2つに分かれる。1つは空港の増築にともなってスマート化された電動車両に一気に切り替えたいというもの。もう1つは年ごとに車両を買い替えるというもので、大きな空港なら年に100〜200台を購入する。
港湾や鉱山には自動運転を手がける数多くのベンチャー企業が参入しており、すでにレッドオーシャンとなっている。対して空港に参入するプレイヤーはかなり少ない。公表されている限りでは馭勢科技(UISEE Technology)、倉擎智能(SINGPILOT.AI)などの自動運転車両が一部の空港で試運転を実施しているのみだ。
空港内は数十種類もの特殊車両が走行する。自動運転車両に関する業界標準も定まっておらず、車両購入の承認プロセスも複雑で厳しいことが参入の壁となっている。
移動範囲の広い乗用車に比べ、空港内を走行する無人車両はずっと効率的に稼働させることができる。「数日間のデバッグを経ればもう使えるようになる。その後も2〜3カ月のデバッグを実施すれば優れたパフォーマンスを発揮できる」と楊CEOは述べている。
楊CEOによると、清維如風科技の中核技術は、飛行機と人、その他の障害物を認識できる自動運転の安全システムと、空港の全エリアをカバーする高精度測位システム、ルールベースでドライバーの運転操作を学習した大規模言語モデルを用いた自動経路設計システムだ。
デバッグのプロセスは主に路側機や不明瞭な車道を認識できるようにすることだ。「例えば空港内の一部停車エリアは固定されていないため、自動運転車両を稼働させる間は車道や固定エリアをきちんと決めて視覚化しなければならない」という。
車両の自動運転は交通・運輸における効率化の可能性も広げる。清維如風科技では空港用自動運転車両以外に車両・道路・クラウドシステムを連動させるデジタル化プラットフォームのサービスを提供している。
空港で働く車両の作業効率は可視化されたスマート物流プラットフォームを活用すればまだ大幅に向上できると楊CEOは見ている。フライト情報や積載貨物の数・重量を自動で把握し、作業配分や経路設計を自動で行い、作業をグループ化していくことが清維如風科技の目指す方向性だという。
(翻訳・山下にか)
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