リハビリ用外骨格ロボット 中国ベンチャーが「意図認識」を導入し活用幅広げる

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リハビリ用外骨格ロボット 中国ベンチャーが「意図認識」を導入し活用幅広げる

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外骨格ロボット技術を開発する中国スタートアップ企業の「程天科技(RoboCT)」がこのほど資金調達を実施した。出資したのは米Pappas Capitalや株主の余杭国投(Yuhang Guotou)。程天科技は今後、研究開発やマーケティング担当者を世界規模で募集していく計画で、世界的な研究機関や臨床機関とも引き続き連携して、独自のRaaSを基盤とした外骨格ロボットの技術プラットフォームの普及を進めていく。

程天科技は2017年に設立され、現在は主にリハビリや高齢者介護で活用され、医療リハビリを実施する病院や個人ユーザーに製品やソリューションを提供している。

同社の創業者でCEOの王天博士は起業のアイディアが固まる前、巡回検査ロボットなど特殊なロボットのカスタマイズ開発に多く関わってきた。外骨格ロボットに専念することを決めた理由は、根強い需要があること、使用頻度が高いこと、実用性が高いことの3要素をあわせ持つからだ。「外骨格ロボットは人体の機能を拡張し強化するもので、能力をより高めたいという人類の望みを満たすものだ。すべての人が直面することになるリハビリや介護の問題を、外骨格ロボット技術で解決したいとの思いが根底にある」と王CEOは起業の理由を述べている。

画像は程天科技提供

程天科技が開発した半身麻痺・両下肢麻痺・脳性麻痺などの中枢性運動機能障害に用いる外骨格ロボット「UGO」、小児用外骨格ロボット「童行(KidGo)」はいずれも中国国家薬品監督管理局(NMPA)第二類医療機器に登録済みだ。UGOは「意図認識」技術を用いた能動歩行、受動歩行、あるいはその両方を組み合わせたトレーニングで患者の運動機能の回復を支援する。

医療リハビリ機関で用いられるUGOは意図認識技術を駆使し、さまざまな歩行動作やシチュエーションに対応できる。大量の臨床データに基づくアルゴリズムが、入力されたユーザーの身長や体重、足の長さに応じて具体的な歩行動作を調整する。「我々はこれまでのべ10万人のリハビリを実施し、自社製品を改善し続けて、患者にとって最適な使用方法を確立した」という。

生産については、中国国内のロボット産業が比較的成熟してきているため、コア部品なども使い勝手に難がある既製品に頼らず、国内で開発、生産できるよう注力している。程天科技がこれまでに出願した知的財産権は500件あまり、うち取得済みのものは300件あまりで、2023年中国特許賞で銀賞を受賞している。

販売推進策としては独自のRaaSを打ち出してリハビリ機関への普及を進めている。「この数年で弊社の製品は560カ所以上のリハビリセンターや病院などで導入され、これまでのべ30万人以上にサービスを提供してきた」という。医療機関ではリハビリや障害者の運動能力回復に、個人向けでは高齢者の歩行介助などに使われている。

リハビリ用ハイエンド医療機器市場は拡大し続けている。調査会社ABI Researchの調べでは、世界における外骨格ロボットの売上高は2020年の3億9200万ドル(約590億円)から2030年には68億ドル(約1兆200億円)になると見込まれている。世界市場には米国のEksoBionics(エクソ・バイオニクス)、日本のCYBERDYNE(サイバーダイン)、イスラエルのReWalk(リウォーク)などの大手企業が存在する。中国国内では傅利葉智能(Founder Intelligence)、大艾機器人科技(Ai Robotics Technology)、邁步機器人(Milebot)などがリハビリ用外骨格ロボットを手がけている。

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(翻訳・山下にか)

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