国産化率1割の高難度部品に挑む——中国新興、電磁サスペンションバルブを26年に20万個出荷へ

電磁アクチュエーターを手掛ける中国の「極湃電磁(GPEM)」がこのほど、新たに数千万元(数億円)を調達した。英諾天使基金(InnoAngel Fund)、蘇州創新投資集団(Suzhou Capital Group)傘下の蘇州天使母基金(Suzhou Angel FoF)および蘇州高新投資集団(Suzhou High Tech Venture Capital Group)傘下の融晟投資管理(Rongsheng Investment Management)が共同出資した。資金は生産ラインの設備投資や研究開発力の強化に充てられる。

極湃電磁は2023年5月に設立され、江蘇省蘇州市に本社を置く。産業機械の自動化、自動車のスマート化、人型ロボット(ヒューマノイド)の3分野向けに、電磁バルブやブレーキ、クラッチなどの電磁アクチュエーターを供給する。

同社は製品の定義から量産・導入までを一貫して開発する能力と、独自の知的財産権を持つ。創業者の姜宝氏によると、主力製品である自動車の電動ドア向け電磁ダンパーはすでに量産と安定出荷を実現し、市場シェアで首位に立つ。

現在、製品ラインアップの拡充を急ピッチで進めており、アクティブサスペンション向け電子制御ダンパーに用いる「減衰制御バルブ」、「エアスプリング調整バルブ」、ブレーキ・バイ・ワイヤ向け「永久磁石式ブレーキ」、ヒューマノイド向け「関節モジュール用ブレーキ」の4製品を展開する。

画像は「極湃電磁」提供

減衰制御バルブは、電磁サスペンションシステムの中核部品で、技術的ハードルが極めて高く、現時点での国産化率は10%に届かないという。姜氏によると、極湃電磁が中核技術の課題を解決し、顧客の性能要求を満たして海外勢に並ぶ水準に達したと説明する。最初の生産ラインは年間100万個の生産能力を計画しており、2026年は約20万個の出荷を見込む。

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永久磁石式ブレーキは、永久磁場と電磁場の組み合わせた設計となっており、従来型に比べて安全性・信頼性・出力密度・電力効率に優れている。すでに車載レベルの品質基準を満たしており、氷点下40度の環境でも安定的に動作するなど、業界をリードする技術を備えている。現在は、主に自動運転技術を搭載した鉱山トラックや空港物流用車両などに導入されており、2026年は3000〜5000個の出荷を見込む。

関節モジュール用ブレーキは、二足歩行型や車輪型など各種のヒューマノイドに搭載でき、カスタマイズにも対応する。すでにプロトタイプの検証が完了し、小ロットの量産・出荷が始まっている。姜氏によると、関節モジュールやヒューマノイド本体を手がける大手メーカーとの協業も開始しており、2026年7〜9月期に量産段階に入り、年内に5万〜10万個(ロボット3000〜5000台分)を出荷する計画だ。

国産化に向けて国内サプライチェーンの整備も進める。中国製材料とドイツ製材料との性能差を埋めるため、西安交通大学や清華大学などと連携し、材料の磁気伝導性能や摩擦性能を最適化。国内のニーズにより適合する製品開発を目指す。

海外メーカーは欧州で設計した製品を中国で販売しているが、極湃電磁は中国市場に特化した設計が可能なため、製品開発の速さやコスト管理、出荷効率の面で優位に立てるとみている。

同社は主力製品への投資を続ける方針だ。今回の調達資金の60〜70%を生産設備に、残りを研究開発に投じ、技術力と生産能力を一段と高める考えだ。

*1元=約23円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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