10年ぶりの減収、中国「ウルトラマン」神話に陰り——規制強化とIP競争が直撃
ヒーロー特撮「ウルトラマン」を展開する円谷フィールズがこのほど、2026年度通期(25年4月1日~26年3月31日)の決算を発表した。中国市場におけるウルトラマンのIP(知的財産)ライセンス収入は10年ぶりに減少した。
中国市場でのライセンス収入は前年度比51.6%減の25億5700万円となった。同社によると、暦年ベースでは、ウルトラマンIPの中国市場における収入減少は過去10年で初めて。中国はウルトラマン最大の海外市場で、市場規模は長年、日本国内を大きく上回ってきた。今回の急減速により、これまで右肩上がりを続けてきた成長曲線にも陰りが見え始めている。
減少の背景には複数の要因がある。まず、カード市場が規制強化の影響で大きな調整局面を迎えた。各地でブラインドボックス販売規制や学校周辺でのカード販売禁止措置が導入されたほか、中古コレクション市場のバブル崩壊により投機資金も撤退し、主力だった未成年層の消費が縮小した。また、競合IPの増加で市場は再編期に入り、既存商品ラインアップの刷新も課題となっている。中国の玩具メーカー「Bloks Group(ブロックス・グループ)」の公開データによると、同社売上に占めるウルトラマンIP関連比率は、2023年の63.5%から2024年には49%へ低下した。さらに、日中関係の影響で、リアルイベントの延期や縮小も発生した。
中国市場で苦戦する一方、円谷フィールズ・グループ全体の業績は成長を維持した。2026年度の連結売上高は前年同期比23.9%増の1741億4200万円、親会社株主に帰属する純利益は同17%増の130億5000万円となった。
2026年はウルトラマン誕生60周年に当たる。円谷と中国独占代理店の「新創華文化発展(SCLA)」はすでに関連イベントを始動しており、これを機に中国市場を立て直せるか注目される。
(36Kr Japan編集部)