NIOでもCATLでもない 中国3位のバッテリー交換大手、香港上場へ再挑戦
新エネルギー車(NEV)向けバッテリー交換サービスを手がける中国企業「奥動新能源(Aulton New Energy)」はこのほど、香港証券取引所に改めて上場申請書を提出した。2025年12月12日に提出した初回申請が26年6月12日に期限切れとなったため。香港市場初の「バッテリー交換関連銘柄」としての上場を目指す。
奥動新能源は2016年に設立。シャーシへのはめ込み式バッテリー交換ソリューションを主力事業とする。22年に最後の資金調達を完了した時点での評価額は約119億元(約2900億円)。中国EV大手・蔚来汽車(NIO)の創業者らが中心となって設立した蔚来資本(NIO Capital)は、これまでに累計4億元(約96億円)を出資しており、現在も約5.53%の株式を保有している。
奥動新能源は2026年4月末までに、531カ所のバッテリー交換ステーションを建設し、14万台を超える新エネルギー車と16万個の車載バッテリーをネットワークに接続した。また、第一汽車集団(FAW Group)、東風汽車(DONGFENG)、長安汽車(Changan Automobile)、上海汽車(SAIC)など16社の自動車メーカーと協力し、30車種を超えるバッテリー交換対応車を開発している。25年のバッテリー交換ステーションの運営収入では、NIOと寧徳時代新能源科技(CATL)に次ぐ中国第3位となった。
ただし、同社は依然として黒字化を達成していない。2023年~25年の売上高は、23年が11億5500万元(約280億円)、24年が9億2600万元(約220億円)、25年が6億7700万元(約160億円)だったのに対し、純損失はそれぞれ6億5500万元(約160億円)、4億1900万元(約100億円)、3億700万元(約70億円)だった。自社運営のバッテリー交換ステーション事業は、3年連続で粗利益率がマイナスとなっており、業績を圧迫する最大の要因となっている。一方、26年1~4月の売上高は前年同期比1.9%増の2億3500万元(約56億円)で、全体の粗利益率も前年同期のマイナス6%からプラス1.8%に転じ、経営状況には一定の改善がみられる。
現在、中国のバッテリー交換市場では競争が一段と激しくなっている。NIOは自社の自動車事業を基盤に交換ネットワークを拡大し続けており、CATLも「チョコレートバッテリー(Choco-SEB)」交換方式を通じて、オープンな共通規格の普及を加速している。両社がバッテリー交換事業での提携強化を発表している点も注目される。急速充電技術も目覚ましく進歩するなか、奥動新能源は今後、タクシーや配車サービス車両、大型トラック、ロボタクシーなど、稼働頻度の高い事業用車両を重点市場としていく方針だ。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)