中国EV開発、最短6カ月も CATL会長、「1日3モデル」の速成競争に警鐘
中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL) の曽毓群(ロビン・ゼン)会長が、9月3日に開催された「2026世界動力電池大会」でビデオ形式の基調講演に登壇した。曽氏は、「品質」をキーワードとし、新エネルギー車(NEV)業界で横行する「速成車(市場投入を優先し、開発を急ぐあまり品質が軽視されている現状)」の乱立ぶりを批判した。
曽氏によると、2026年1~6月の中国NEV販売台数は740万台を超え、自動車販売全体の半数近くに達した。中国国内で発売された新型車は600モデルを超え、1日平均で3モデル近くが市場に送り出されている計算となる。また、世界の車載用動力電池の搭載量は608ギガワット時(GWh)を超え、上位10社のうち7社を中国企業が占め、合計市場シェアは7割を超えた。
一方で、曽氏は「一部の車載電池製品では大量の不具合が発生しており、見るに堪えない惨状だ」と指摘。また、「各社が開発スピードや性能、価格を競い、開発期間はますます短くなっている。しかし、それは製品の品質と消費者の信頼を犠牲にしている」と述べた。
「600モデルの新型車」という数字については、集計方法をめぐる議論がある。中国汽車流通協会の専門家は以前、完全な新型車に限れば、2026年1~6月は約165モデルに止まるという。500~600モデルという統計には、グレードの違いや派生モデルが含まれていると説明している。
とはいえ、集計方法にかかわらず、中国の自動車メーカーで新車の開発・投入サイクルが明らかに速まっていることは確かだ。かつては1モデルの企画から量産まで3~5年を要することが一般的だったが、現在は電気自動車(EV)専用プラットフォームの成熟や部品の共通化、デジタルシミュレーション技術が普及している。さらに、市場競争の激化もあり、一部のNEVでは開発期間が18~24カ月、中には12カ月まで短縮されているモデルもあるという。
中国の経済メディア「界面新聞(Jiemian)」が中国独自ブランドの研究開発担当者の話として伝えたところによると、既存のEVプラットフォームをベースにすれば、新型車を最短約6カ月で市場投入することも可能だという。
曽氏は、中国の新エネルギー産業が世界市場へ進出した今、海外の関心は、もはや「中国は優れたNEVを製造できるか」ではなく、「中国ブランドは長期にわたって信頼できるか」という点だと述べた。そのうえで、「品質は検査によって生み出されるものではない。設計や製造の段階で作り込まれるものだ」と強調した。
(36Kr Japan編集部)