AI推論向けGPUの「曦望」、約460億円を調達 4カ月で評価額ほぼ倍増の4600億円に
人工知能(AI)推論向けGPUを手がける「浙江曦望智能科技(曦望、Sunrise)」がこのほど、新たに20億元(約460億円)を調達した。資金調達後の企業評価額は約200億元(約4600億円)となった。同社は2026年4月にも10億元(約230億円)超を調達しており、その際の資金調達後評価額は100億元(約2300億円)を超えていた。それから半年足らずで、評価額はほぼ倍増したことになる。同社は24年末、中国のAI大手「商湯科技(センスタイム)」 から分離・独立。その後累計で約60億元(約1400億円)を調達した。
中国のGPU企業の多くがAIモデルの学習と推論の両方を手がける中、曦望はAI推論市場に重点を置いている。現在は「啓望(QiWang)」S1、S2、S3の3世代のGPU製品を展開。S1はコンピュータービジョンやマルチモーダル推論向け、S2は大規模モデルの推論向けで、いずれもすでに量産を実現した。
新世代のS3は、さらに大規模モデルやAIエージェントの推論を主な用途として想定し、LPDDRメモリーを採用、推論コストの低減を狙う。同社はGPU単体に加え、アクセラレーターカード、サーバー、AIコンピューティング・クラスターまでをカバーするソフトウエア・ハードウエア製品体系も構築している。
大規模AIモデルの利用が学習中心の段階から大規模な推論処理へと移行する中、推論用チップは中国製AIチップ市場における新たな競争の焦点になりつつある。現在、ファーウェイの「昇騰(Ascend)」、寒武紀科技(Cambricon)、海光信息(Hygon)なども推論市場への投資を強化しており、技術方式も汎用GPUから独自のフルスタック型アーキテクチャ、推論専用チップまで多様化している。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)