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「luckin coffee」の粉飾決算で株価暴落の「神州優車」、レンタカー子会社を売却か

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中国新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」の粉飾決算によって、同社の董事長である陸正耀氏が創業し、董事長を勤めている「神州租車(China Auto Renting)」社もダメージを受け、身売りするのではないかとの観測が流れている。

4月13日夜、神州租車の親会社「神州優車(UCAR)」は公告で、神州租車の株式の27.65%を譲渡することについて、潜在的な投資候補者とコンタクトを取っていると発表した。これを受け、翌日の神州租車の株価は9.45%上がり、2.22香港ドル(約31円)となった。

オンライン旅行代理店最大手の「携程(Trip.com)」と自動車大手の「吉利(Geely)」が神州租車を買収するという情報も流れていたが、両者はともに否定した。

4月2日夜、瑞幸咖啡が2019年第2四半期から第4四半期までに22億元(約330億円)の売り上げの水増しを認めると、神州優車と神州租車の株価は翌日それぞれ21.75%と54.42%暴落し、取引停止となった。

瑞幸咖啡の巻き添えを食った格好だが、神州租車も課題が長年積み重なってきた企業だ。果たして、買収に名乗りを上げる企業はいるのだろうか。

多角化した事業は不採算

2005年、陸正耀氏は「聯合汽車倶楽部(UAA)」を設立し、自動車アフターマーケットに進出。その後神州租車に改称し、2014年に香港上場に成功。2016年には神州優車を立ち上げ、ネット配車、新車のオンライン販売、オートファイナンス事業を手掛けるようになり、いわゆる「神州系」と呼ばれる企業群が確立された。神州優車は2016年に中国の店頭市場である「新三板」に上場し、時価総額が400億元(約6000億円)超となったこともあった。

しかし、神州優車の各種事業はともに不採算に悩まされていた。ネット配車はこれまで一度も黒字化したことがなく、新車のオンライン販売は2017年に一時的に成長しただけで、その後は売り上げが減少し続けていた。オートファイナンスもリスクコントロールに関する課題があり売り上げが減少している。根幹となるレンタカー事業を運営する神州租車も、2019年の1台あたりの売り上げ、車両稼働率がともに前年を下回った。

その結果、2019年上半期、神州優車の純利益は前年同期比550.28%減の激減となり、6.52億元(約98億円)の赤字となった。神州租車は、2019年の売上高は19.35%伸びたが、純利益は89.3%減の3100万元(約4.7億円)に留まった。しかも、売上高の1/3が古くなった車両を売却したことによるものだ。

中国では、新エネルギー車の航続距離が伸び、より厳しい排ガス規制が施行されたことなどにより、中古車の値崩れが起きている。さらに自動車メーカーのレンタカー事業への参入も相次ぎ、大量の車両を保有する神州租車の今後の収益性は不透明となっている。

神州租車に買収する価値はあるか

神州優車は現在投資家から不信感を持たれているため、陸正耀氏など同社の経営陣4人は市場からの信頼を取り戻そうと、手持ちの1.56億株を手放さないと発表した。これは同社の発行済株式数の5.8%を占める。また、「北汽集団(BAIC Group)」が神州優車と戦略的提携を行うことになり、そのことで車両の調達、自動車のニューリテール、ビッグデータ、オートファイナンスなどでの協力が見込まれる。

子会社の神州租車を手放し、現金を確保しておくというのも、立て直し戦略の重要な一環だが、問題は神州租車に買収する価値があるかどうかである。

自動車産業の研究と情報共有を行う「全国乗用車市場信息聯席会(CADA)」の崔東樹事務局長は、「レンタカー企業として、神州租車の利益は大きく下がっているものの、それでも黒字だということを評価したい。レンタカー企業の多くは赤字だからだ。神州租車の収益モデル、財務諸表に不正がなければ、企業として十分買収する価値がある」と話す。

2020年の中国のレンタカー市場は1000億元(約1.5兆円)規模とも言われ、現在シェア1位の神州租車はそのなかで最多の車両保有台数と登録ユーザーを持つ。この2点は大きな魅力になるだろう。

瑞幸咖啡の粉飾決算による影響は、経営陣の刷新で解決できる。

フィナンシャル・タイムズの報道によると、神州租車が瑞幸咖啡と業務上の関係がないことを証明するため、陸正耀氏は神州租車の董事長を辞任する予定だという。神州租車の収益モデルに問題がなければ、財務状況もそれほど悪くはないはずである。

(翻訳:小六)

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