アリババ傘下「ウーラマ」、フードデリバリーから地元のあらゆる商品を即時配送へ

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今年3月、モバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」がUIデザインの大幅なバージョンアップを行ったのに続き、アリババ傘下生活関連事業「阿里本地服務公司(ALSC)」が運用するフードデリバリー「餓了麽(ウーラマ、Ele.me)」アプリもアップデートを発表した。

7月10日、阿里本地服務総裁の王磊氏 は、オンラインでのブランドアップグレード会議の席上、餓了麽をフードデリバリーから地元密着サービスアプリにアップグレードすると発表した。餓了麽のスローガンも「安くておいしい」から「お好きなもの、何でもお届け」に変更し、イメージキャラクターには中韓アイドルグループ「UNIQ(ユニーク)」の王一博氏を起用する。

餓了麽の最新バージョン9.1は既にローンチされている。主な変更点は次のとおり。まず、テーマカラーのブルーが少し明るくなり、ホーム画面のメインアイコンに「グループ購入割引」「エンターテイメント」「拠点受取」が加わった。高品質のショップを推奨する「おすすめショップ」というアイコンもある。ホームバーの「発見」は「真香(おいしい)」に変わり、料理やレシピ、食事シーンなどを写真ではなくTikTok調のポップな動画で紹介する。さらに「随心訂(何でも注文)」という名称で、生花や牛乳、生鮮食品などの定期宅配サービスも始まっている。

「餓了麽(ウーラマ)」ホーム画面

バージョンアップ後の餓了麽を見ると、単なるフードデリバリーからあらゆる消費サービスの窓口に変身したことを印象付けようとしていることがよくわかる。これはアリババが阿里本地服務公司の設立から2年余りに渡って、餓了麼と同グループの口コミサイト「口碑(Koube)」の統合を進めてきた結果と言える。また王氏が自分のやり方を調整して、生活関連サービスへのアクセスを一本化するというライバル「美団点評(Meituan Dianping)」のやり方を真似たことを示している。

短編動画の試みはトレンドに従ったとも言える。アリババ傘下のECモール「淘宝(タオバオ)」も2016年以降、コンテンツ路線を拡張している。

王氏は発表会で、新型コロナウイルス感染症の流行はサービス提供の形態や消費習慣に大きな影響を与えたと述べた。テイクアウトの売上高は10~20%増え、60%以上増加したところもあったという。感染症が猛威を振るっていた間、消費者は通販でも近場の店を選ぶようになった。特にスーパーマーケット、コンビニ、生鮮食品、医薬品などの売上高が爆発的に増加した。感染症が落ち着いてきた今、この傾向も落ち着いてきたとはいえ、コロナ前と比べると大幅に躍進している。このため、餓了麼もここ半年間は地元密着型の供給を集中的に強化してきた。

先回のアリペイのバージョンアップも、今回の餓了麼のバージョンアップも、アリババのビジネスモデルの拡張と見なせる。タオバオは事業経営で成熟しており、商品や顧客とのやり取りでも経験がある。検証を経て有効性が確認されれば、活用シーンは増えていくだろう。
(翻訳・永野倫子)

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