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家電大手「シャオミ(Xiaomi、小米)」エコシステム前総裁の唐沐氏が離職してから早1年、最近、同氏の新規事業についての話を頻繁に耳にするようになった。9月15日、同氏が新たに設立した「如影智能(Know)」が製品発表会を開き、18品目のスマート家電を披露した。同氏が起業した分野は前職のシャオミと同じ家電だが、ビジネスモデルは全く異なる。
唐氏によれば、新会社はAI+IoTとロボット、すなわちスマート・セントラルコントローラー「inSight」シリーズと家電ロボット「inBot」シリーズを主軸とする。
唐氏は、家庭用IoT製品のコントロールセンターはスマートスピーカーや携帯電話以外にもっと多くのバリエーションがあって良いと考える。inSightはいわばスマートスピーカーとスマートゲートウェイを組み合わせたもので、このパネルからスマート家電の制御や他のセントラルコントローラーとの連携、オンライン診療、コンテンツ視聴などができると言う。
inSightは音声、タッチ、つまみ、アプリによって操作でき、近距離無線通信「Bluetooth」「ZigBee」「NFC」などでハードウェアと接続する。セントラルコントローラーにとって外部デバイスとの接続も重要だ。inSightはシャオミECショップ、「蘇寧易購(Suning.com)」および「京東集団(JD.com)」の電子機器専門ショップ「京魚座(Jingyu zuo)」と提携し、これらのサイトで販売されている1000品目以上の商品と接続可能だという。
家電の中で最もスマート化に適しているのは照明器具だろう。今回発表された18製品の中にはスマートスイッチ、スマートカーテン、LEDスマート調光など照明器具「inLight」シリーズが6品目入っている。
家電ロボット「inBot」の主力製品は、コーヒーロボットとステーキロボットだ。ただし、この大型ロボットの価格はどちらも100万元(約1500万円)クラスであり、明らかに一般消費者向けではない。
ネット通販で薄利多売を旨とするシャオミ家電とは異なり、唐氏が立ち上げた新会社の製品価格は低くない。セントラルコントローラーの希望小売価格は999元(約1万5000円)からで、シャオミの時のように、コストを下げるために製品の材料や品質を厳密にコントロールしているわけではない。たとえば、スマートスイッチのパネルにはAppleサプライチェーンの材料を、表示盤には腕時計クラスの材料を使用している。
スタートアップにとって最も難しいのは、量産品の売り方かもしれない。Knowはエンジェルラウンドで不動産大手「実地地産(SEEDLAND)」から資金を調達した。SEEDLANDはKnowに対し、製品を販売する機会を提供し、オーダー(発注)も行う。唐氏によれば、KnowのステーキロボットはすでにSEEDLANDの別荘事業からオーダーを受けているという。
唐氏は昨年、シャオミを離職し、その1カ月後にKnowを設立した。辞任の理由について唐氏は以前複数のメディアに対し、「シャオミではやりたいことがあまりできない」と語っていた。
唐氏は、これまでシャオミでながらく新しい領域の開拓に努めてきたという。「昨年末の時点で、シャオミのエコシステムは大きく成長したと感じていた。シャオミにはさまざまな製品を製造する能力があるが、自社開発した独自技術による製品はそれほど多くない。私はここに限界を感じた。職位や報酬とは関係ない」
唐氏はユーザー調査と製品設計で豊富な経験を有する。2003年、唐氏はテンセントに入社、研究開発センター「CDC(Customer Research & User Experience Design Center)」を組織し、チャットアプリ「QQ」や音楽配信サービス「QQ音楽」などのエクスペリエンスデザインを担当した。2013年にシャオミに入社し、スマート製品部門総経理、エコシステム副総裁を歴任した。ミリオンセラーとなった ルーター「MiWiFi」やスマートスピーカー「小愛音箱(Mi AI Speaker)」はどちらも唐氏の開発チームによるものだ。
(翻訳:永野倫子)
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