中国で失速、中東情勢も逆風——独BMW、通期業績予想を大幅下方修正、今年2度目
ドイツ自動車大手のBMWは6月16日、2026年通期の業績予想を下方修正した。自動車事業のEBIT(利払前・税引前利益)の売上高に対する比率(EBITマージン)の予測値を、これまでの4%~6%から1%~3%に引き下げた。納車予測も「前年並み」から「小幅な減少」に改めた。業績予想の下方修正はこれが今年2回目となる。発表翌日、同社の株価は欧州市場で一時7~8%下落し、2020年11月以来の安値をつけた。
業績圧迫の要因は主に2つある。1つ目は、最大市場である中国の構造的な変化だ。中国乗用車市場の通年予測は、年初のほぼ横ばいから大幅なマイナスへと下方修正が続き、業界団体の乗連会は6月16日に前年比14.1%減まで引き下げた。背景には電動化の急加速がある。新エネルギー車(NEV)の浸透率は4月に初めて60%を超え(61.4%)、5月も60%台を維持した。ガソリン車を主力とするBMWは、既存プラットフォームを流用したEVで競争力を見劣り、30万元(約600万円)クラスの中核市場で中国勢との価格競争に直面している。中国国内のガソリン車市場が1~5月に前年同期比124万3000台縮小したことも、消耗戦に拍車をかけている。
2つ目は、中東情勢の緊迫化だ。エネルギー価格の上昇が、欧州にあるBMW工場の製造コストを押し上げるとともに、消費者心理を冷やしている。同社はイラン戦争がコストと需要の両面に悪影響を及ぼす可能性を警告した。なお欧州では、ガソリン車からEV・ハイブリッドへの構造的なシフトが続いているが、これは中東情勢とは別の長期トレンドである。
BMWはコスト削減策の強化・前倒しにも踏み切る。これに伴う一過性の費用を2026年下期に計上する見通しで、詳細は9月の資本市場デーで開示する。すでに1~3月期は中国の納車が前年同期比10%減、グループ税引き前利益が約25%減の23億5000万ユーロ(約4300億円)にとどまり、4~6月期は利益とフリーキャッシュフローがさらに圧迫される見通しだ。半期決算は7月30日に発表する。
*1元=約24円、1ユーロ=約184円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)