フィットネス用品のEC「氧星運動」、バーティカル分野のS2B2Cモデルに
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2018年7月5日、フィットネス関連商品のECを展開する「氧星運動(O2 SPORTS)」が近ごろ、1000万元レベルのプレAラウンド融資を完了したことがわかった。今回の融資ではFHキャピタル(豊厚資本)がリードインベスターを務め、ValueLink(藍策)が単独で財務顧問を務めると発表した。これより以前、エンジェルラウンド融資の段階では、中欧国際工商学院北京キャンパスの第16期EMBAプログラムの同級生達の支持も得ている。
フィットネス業界にはまったS2B2Cモデル
氧星運動は2018年3月中旬に正式ローンチ。S2B2C(供給者→事業者→消費者)型でWeChatミニプログラムのフィットネスECを運営する。事業者(B)に相当するのは、フィットネスジムやフィットネス経営者。プラットフォームは彼らに商品の供給源・物流・アフターサービスを提供し、事業者は現場で消費者(C)にフィットネス製品を販売する。
このモデルの強みは、事業者と消費者間の既存の関係性を充分に活用した点にある。消費者自身はインストラクター資格の受講生やフィットネスジムの会員なので、ジムやその経営陣との間にはもともと信頼関係が存在しており、顧客獲得コストが低く抑えられる。

似たようなモデルをすでに持っている一部のフィットネス事業者もいるが、規模としてはジム会員や受講生に対する代理購入サービスのようなものだった。氧星運動の創業者・劉晋実(リウ・ジンシー)氏は以下のように考えている。小規模なフィットネス企業がベンダーに対峙した場合、価格交渉の余地があまりない。しかも、フィットネス関連製品の流通過程は中間に多くの業者が介在する。さらに、サプリ、ケア用品、ウェアやマシンなど、フィットネス関連は商品カテゴリーが多岐にわたる。そんな中で、事業者単体が個々に効率的な仕入れを実現するのは容易なことではない。そして業界を見渡すと、フィットネスのジムやスタジオは膨大な数存在するが、それらはバラバラに独立・分散しており、オンラインECとオフライン間の流通が往々にして連携していない。この現状には、大いに利用の余地があった。
氧星はミニプログラムECを用いて、事業者と消費者の強い関係性をオンラインでの商業的価値に転換しようとしている。個々の事業者にとっては、仕入れから販売までをプラットフォームに委託できる利点がある。また、WeChatが搭載するユーザー識別機能やコミュニティ運営手段を使ってユーザーの定着率を向上させられる。一連の取引のプロセスもシンプルだ。
全国7万軒のフィットネスジムがターゲット
さらにプラットフォーム自身の運営について見てみよう。氧星運動を運営する億動電商(イードンEC)の創設メンバーは、サプリなど健康関連のEC業界で豊富な経験を有している。億動電商は2009年創業、現在に至るまで長年に渡り、アリババ系列のECモール天猫(Tモール)でゴールドランクの業者と評されている。2017年の売上高は5億人民元を超え、国内外問わず多数のブランドと長期にわたるパートナーシップを保持し、買い付けには強みを持っている。
次段階としては、顧客となるフィットネス事業者をより多く獲得し、その下流にいるより多くの消費者に商品を届けることだ。フィットネス関連のSaaS(Software as a Service)を提供する青橙科技のデータによると、現在、中国国内のフィットネスジムの総数は7万軒を超え、2017年は27%の成長率で増加の一途をたどっている。ターゲットとなりうる小規模事業者の数も比較的多い。顧客獲得のチャンネルとしては、フィットネスジムとの直接提携・インストラクター養成機関との提携・フィットネス関連イベントとの提携の3つが存在すると、劉晋実氏は36Krに語っている。
リリースして3ヶ月。氧星運動とつながったフィットネス事業者は3万近くに上り、顧客の購入平均金額は150元から350元に上昇している。今回の融資は主に、オフラインでの提携先開拓・ユーザーの規模拡大・サプライチェーンの強化・プラットフォームの影響力拡大のために用いられる。川下側については、小売業者を2018年中に10万、2019年には20万までに増やし、フィットネス業界でのカバー率を70%に到達させたいと考えている。
中国人のスポーツ・健康関連消費は欧米の200分の1、開拓の余地は無限
最後に市場の可能性だが、フィットネス業界の発展速度は速く、フィットネス製品の分野でもデカトロン(DECATHLON)のような大物ブランドが誕生している。中国産業網のデータによると、2016年中国のスポーツニュートリション製品の市場規模は7.87億元、2021年には20億元を突破するだろうと予測されている。フィットネス意識の普及と、フィットネス人口の増加に伴い、関連製品の発展の可能性もより大きくなっている。
投資ロジックに言及すると、FHキャピタルのインベスター・杜宗霖(ドゥー・ゾンリン)氏は以下のように述べている。欧米の先進国と比べると、中国ではスポーツニュートリションにまつわる1人当たりの消費量は200分の1。しかし、都市部住民の生活レベル向上に伴って、フィットネスは人々が生活の基本ニーズを満足させた、さらに自己に対する要求も高めることになる。その可能性は巨大だ。そのため、多くの資本がフィットネス業界への注目を続けており、チャネル数は指数的成長を見せ、ECのソーシャル転換システムは成熟し、それによりスポーツカテゴリーの消費財投資は段階的なチャンスに至っている。