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ショート動画プラットフォーム「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」が2021年2月5日に香港上場を計画していることが分かった。香港IPOにおける引受証券会社が明らかにしたところでは、目標評価額は500億ドル(約5兆1800億円)だという。
この件について快手側はコメントを控えている。
快手が11月5日に香港証券取引所に提出した目論見書によれば、2019年の年間売上高は391億元(約6200億円)、調整後の純利益は13億元(約206億円)だった。2020年上半期の売上高は前年同期比48%増の253億元(約4010億円)、調整後の純損失は63億元(約1000億円)だった。この損失はマーケティングやプロモーション費用の増加によるものだという。
現在、流通市場で快手株の購入申込みが急増しているという。引受証券会社から新株割当を確保したある人物によれば、最近になって機関投資家や個人から同社株を購入したいとのオファーが殺到しているという。「もともとTikTokの運営会社バイトダンス(字節跳動)の上場を待っていた人が、ここにきて快手株へとシフトしたケースが一定数ある」
快手とバイトダンスはこれまで、ショート動画分野の上場企業第一号を目指して攻防を繰り広げてきた。
10月26日、36KrはバイトダンスがTikTokの本国版「抖音(Douyin)」の香港単独上場を検討中だと報じた。引受証券会社の件で、ゴールドマン・サックスなど複数の投資銀行がバイトダンスと協議していたことを関係者は明らかにしている。しかしバイトダンスの責任者は「一部事業の上場を検討しているが、最終決定には至っていない」と回答。
11月5日には、バイトダンスが抖音、ニュースアグリゲーター「今日頭条(Toutiao)」、動画プラットフォーム「西瓜視頻(Xigua Video)」を統合して香港に上場するとの続報が流れる。まさにその晩、快手は目論見書を提出した。
事業規模や製品、資金調達額などで火花を散らしてきた二社の戦いが、香港市場にまでもつれ込んだのも驚くことではない。
快手は2019年8月にテンセントから12億5000万ドル(約1300億円)を調達し、評価額を260億ドル(約2兆7000億円)としている。500億ドルという上場前評価額が本当なら、快手はわずか1年余りで評価額を2倍近くに引き上げたことになる。
とはいえコンテンツ産業で見ると、短期間に企業価値が倍増したケースは快手だけではない。中国版ニコ動とも呼ばれる人気動画サイト「ビリビリ動画(bilibili)」は2020年初めの時価総額80億ドル(約8300億円)に対し、現在は292億ドル(約3兆円)と354%もの上げ幅を記録している。
また未上場のネット配車サービス大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」の評価額は500億~600億ドル(約5兆1800億~6兆2100億円)とも言われている。快手の企業価値が滴滴に匹敵しているかどうかは別にしても、快手の上場はこれまで出資を行ってきた大手投資機関や経営幹部らに大きなリターンをもたらすことは間違いない。(翻訳・畠中裕子)
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