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2014年4月、OPPO傘下のスマホブランド「OnePlus(一加)」は全世界18カ国で初のスマートフォン端末をリリースした1カ月半後、バンガロールで初のファンミィーティングを開催した。これはOnePlusにとってインドにおけるブランド構築の旅の始まりだった。
OnePlusの共同創業者、裴宇氏は当時を振り返り「会場の来場者数は私たちの予想を超えており、そのうちの多くがすでにOnePlusのスマホを持っていた。来場者の熱意を目にして私たちはインド市場に参入する決意を固めた」と語った。
ファンミィーティングから3カ月後、アマゾンとの独占提携を結び、インドでオンラインのスマートフォン販売を開始した。
それから6年後、インド市場の売上高は全世界の総売上高の3分の1を占め、OnePlusにとって最も重要な海外市場の1つとなった。香港の調査会社「カウンターポイント(Counterpoint)」の最新データによると、インドのミドル・ハイエンドのスマホ市場では、2016年には2%だったOnePlusのシェアが現在は27%に上昇しており、この数字はアップルを上回っている。
戦略の転換
OnePlusは2016年に招待購入制を止め、インド映画スターのアミターブ・バッチャン氏をイメージキャラクターに採用した。これはインドでのビジネスモデルの転換を意味している。
OnePlus 3Tシリーズは439ドル(約4万8000円)で販売され、大成功を収めた。しかしこの成功はインドのスマホ市場に価格競争を巻き起こし、各メーカーは400~600ドル(約4万4000~6万5000円)のスマホに照準を合わせるようになった。
OnePlusは競合相手に対抗するために、2018年にインド市場でのオフラインの小売りチャネルを開通させ、地方都市の開拓に乗り出した。これは更なる成長への足掛かりとなった。
現在OnePlusは直営の体験型店舗以外にいくつかの大型販売代理店や多数の小規模販売代理店と提携しており、インド全土の8000店あまりの実店舗でスマホの販売を行っている。
Shah氏は「OnePlusはさまざまな努力によってインド市場での地位を固めてきた。ブランドとしての明確な価値を打ち出し、市場シェアを獲得し、500万人のコアなファンコミュニティを抱えている。デザイン、スペック、ソフトウェアを改善することで、ユーザー体験を絶えず向上させている」と述べている。
2019年5月、OnePlusは7 Proシリーズをリリースし、よりハイエンドな市場へ切り込んだ。7 Proの価格は669~749ドル(約7万3000~8万2000円)となっている。多くの人にとってこの価格は予想を超えており、価格に敏感なユーザーはOnePlusのブランド戦略が変わったのではないかと疑問を持った。
しかしOnePlusはハイエンド端末を強化しているが、「初心」を忘れてはいない。2020年7月にOnePlus 8と8 Proをリリースした数カ月後にはNordというコストパフォーマンス重視の機種をリリースした。Nordは345~415ドル(約3万8000~4万5000円)で販売され、5Gにも対応している。フラッグシップモデルと同等の性能を持つOLED(有機ELディスプレイ)も搭載している。
カウンターポイントのデータによると、Nordはインドで非常に人気が高く、昨年の出荷台数は300万台に達し、最も人気のある機種となっている。
あるアナリストによると7 ProとNordという位置付けの異なる製品を開発することは、販売台数と利益の増加を同時に追求するための選択であり、これはOnePlusのもう1つの重要な転換だという。製品価格帯を拡大し、高価格機種とコスパ重視の機種を同時に生産することで、両方の市場におけるシェア拡大を狙うことができる。
しかしOnePlusにも「線引き」がある。Shah氏によるとOnePlusは750ドル(約8万2000円)以上のよりハイエンドなスマホ市場に参入する予定はないという。なぜならここはすでにOPPOの主戦場だからだ。OPPOは主に中国、日本、欧米などのハイエンド市場をターゲットとしている。
OnePlusとOPPOは明らかに相乗効果を狙っている。今年1月に両者は正式に研究開発部門を統合することを発表した。Shah氏は「OPPOは今後、製品のテクノロジー革新をリードし、これらの技術をOnePlusのスマホに取り入れていくだろう。OnePlusの今後の成長のカギとなるのは、既存の価格を維持しながら、いかにしてより多くの販売ルートを開拓し、より多くのターゲットユーザーにアプローチできるかどうかということだ」と述べた。
(翻訳・普洱)
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