工業3Dカメラスタートアップ、半導体の高精度検査センサー開発。欧州競合に対抗

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工業3Dカメラを展開する「熵智科技(SEIZET)」が4月28日、新たな3D共焦点センサーを発表した。この設備はウェハー、溶接ビード、曲面ガラス、プリント基板などに対し、0.3ミクロン級の精度で半導体関連の検査を行うことができ、走査速度は2000Hzに上る。光を反射する金属、透明なガラスなどにも使用可能だ。

3D共焦点センサーは測定対象を3D画像で表示することができ、レーザー、パターン投影、X線などよりも幅広い種類の素材に対応し、解像度に優れ、2Dと3Dデータを同時に取得できるといった利点がある。

3D共焦点センサーの市場は比較的小さく、全世界での年間出荷台数は数千台程度だが、ニーズは増え始めている。半導体製品の精密度が高まるにつれ、これまでのレーザースキャン検査では十分に対応できず、高精度の検査が求められているためだ。この分野の主要企業はドイツ、フィンランドの企業が多いが、熵智科技によると、同社は海外の同種の製品と同等以上の性能を実現しており、価格は60%〜70%程度となっている。海外製品との互換性も高い。

熵智科技の製品スペック 画像は同社より

同社の趙青CEOによると、海外製品は通常ハードとソフトを別々に販売しており、ハードだけを購入しても使用できず、別途有料のソフトを導入しなければならない。それに対し、熵智科技はハード・ソフトを一体販売し、生産工場とともに顧客のニーズに合わせたカスタマイズにも対応しているという。

検査にAIを導入する技術もあるが、現状ではまだ工業生産現場での大規模な実用化は困難だ。また、ソフトやアルゴリズムを開発する際も、ハードのスペックを考慮しなければ十分に性能を発揮できない。そのため、精度の向上を重要視する場合、同社が採用するハード・ソフトの一体化は今後のトレンドであると言える。

熵智科技は2018年に創業し、これまでTikTokを運営するバイトダンス、「拓金資本(Topping Capital)」「松禾資本(Green Pine Capital Partners)」「遠望資本(Good Hope Capital)」などから資金調達をしてきた。現在の従業員は60〜70人で、深圳、武漢、西安に事務所を持つ。

(翻訳・小六)

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