目標は「中国のQBハウス」。開業3年で100店舗に成長したヘアサロン「星客多」

「1000円カット」「10分カット」などの通称で日本でも広く普及したヘアカットの業態が、中国に登場した。短時間、安価でヘアカットを提供する「星客多」だ。すでに数都市で100店近くを運営するが、このほどBラウンドで1億元(約16億円)を調達し、さらなる店舗数拡大を目指す。

今回、中金浦成投資、順為資本、弘道資本、明勢資本の共同出資を受けた星客多だが、これまでに創新工場(Sinoavation Ventures)の李開復CEOなどからエンジェルラウンドで100万ドル(約1億1000万円)、弘道資本などからAラウンドで3000万元、順為資本などからA+ラウンドで数千万元を調達している。

2015年に創業した星客多は、日本の「QBハウス」をベンチマークとし、開業当時は「15分カット」を看板に営業していた。2017年からはスピードよりも質を重視すると方針転換。お客1人当たりの施術時間は平均22分、平均客単価は約50元となっている。

店舗は北京、上海、重慶、杭州などの数都市で100店近くを運営する。出店場所は主に商業施設やオフィスビルで、店舗面積は平均50平米、4~6台のカット台を設置し、ヘアケア用品の物販スペースを併設する。担当スタイリストが顧客の状態に適した関連商品を勧めるが、購買は強制しない。創業からの来客数はのべ200万人。うち62%は男性で、若年層が多くを占める。

経営規模拡大の過程で最大の課題は「従業員育成と定着」と語るのは創業者の庄威氏だ。ヘアサロンの顧客ロイヤルティは店舗ではなく、スタイリストに対して生まれるもので、スタイリストが退職してしまえば担当顧客もそのまっまそっくり失ってしまうことになる。

星客多所属のスタイリストは現在、400人近くにのぼる。彼らに対して定期的な研修の場を設けることで、離職率は業界水準の半分程度にとどまっているという。研修はデータ分析やITツールを用い、個々の従業員に特有の課題を割り出し、その改善方法を提示するものだ。また、経営管理やサービス体制を均一化することで、ブランド認知の定着や顧客のリピート率にもつなげている。

ヘアサロン業界は年4000億元規模の市場に育っているが、大手企業はまだ存在しない。各企業の規模や、人材の質にも大きなバラつきがある。庄威氏の見立てでは、今後のヘアサロンは、個々の顧客にカスタマイズしたオーダーメイドのサービスを提供する高級路線と、ベーシックなサービスのみを切り出して提供する低価格路線に二極化する。また、ブランドイメージよりも、技術とサービスそのものが評価される傾向に落ち着くともみられている。

星客多では開業や運営のノウハウが成熟するにつれ、新規出店から黒字転換までの期間は徐々に短縮しており、現在では4~6カ月となっている。すでに全店舗で黒字転換しており、2017年の売上高は1億元を突破した。創業者の庄威氏は台湾の美容師一族の出身で、従業員数は約470人に上る。
(翻訳・愛玉)

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