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中国のホテルブランド上位5社のうち、最も若いブランドがインド発のホテルチェーン「OYOホテルズ」だ。2017年11月に中国に進出、わずか1年で全国269都市に約3500店、17万5000室を展開するという、圧倒的な勢いで業界を驚かせた。3時間に1軒というハイペースで拡大を続けてきたため、「OYOスピード」という言葉が生まれたほどだ。
ニーズ主導型の運営モデル
OYOホテルズパートナーで最高財務責任者の李維氏によると、OYOスピードを実現できたのは、革新的な運営モデルが市場ニーズに合ったからだという。
一般のホテルチェーンとは異なり、OYOホテルズは地方都市の既存の小規模ホテルをフランチャイズ化してきた。中国では、ブランド化されていない、部屋数80以下の小規模ホテルの数は膨大であり、合計するとビジネスホテル市場の90%を超える。同社は断片化していた小規模ホテルのずさんなマネジメントを改善し、サービス向上やブランド化、標準化を進めてきた。
ライドシェア大手のUberや滴滴出行(Didi Chuxing)と同様に、OYOホテルズは遅れた感があったホテル業界で「ニーズ主導型」の運営モデルを打ち出し、驚異のOYOスピードを生み出したのだ。
ニューエコノミーに基づくマネジメント
アリババ、滴滴出行をはじめとする多くのグローバル企業から人材が集まってきたことも、同社の急速な展開を後押しする力となった。
同社は組織マネジメントと業務プロセスを合理化しており、迅速に意思決定することを最優先に掲げる。新規出店では専用のツールを使ってスピーディーに出店ポイントを選定し、物件オーナーと2-3回打ち合わせしただけで契約を結ぶ。
独自の研修とその成果
経営の効率を高めるために、OYOホテルズは「ホテル管理学院」を運営している。ここで研修したエリアマネジャーが、1人当たり3-10軒のホテルを担当して、収益を管理し、サービスをチェックし、オーナーと連絡を取り合う。
ホテルのマネジャーには集客のスキルが求められる。現在、OYOホテルズの集客は予約サイト、会員システム、営業で獲得した企業、旅行会社など様々で、予約なしのウォークインも多い。公式データによると、OYOブランドとしてオープンした3カ月後には、ホテル単体の稼働率が平均20-30%増加し、ホテル予約サイトの評価もほぼ4点以上になっているという。
今後も拡大の見込み
李維氏は「これは始まりに過ぎない」と語る。今のところOYOホテルズの市場シェアは0.1%足らずだが、規模を拡大することで、コスト削減や運営体制の強化、サプライチェーン・販売チャネルの拡張が可能となり、大きな収益が見込める。
設備投資やランニングコストがかかるホテル業界で、OYOホテルズは資金面でも優位に立っている。今年9月には、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などから6億ドル(約680億円)を調達した。これまで調達した累計額は10億ドルに達した。
ローエンド市場の拡大がますます注目を集める中、同社のビジネスチャンスは広がるだろう。
(翻訳・畠中裕子)
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