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2018年上半期、中国から海外に向けた越境ECの取引額は3兆4700億元(約57兆円)に達し、そのうちB2C取引は前年同期比21.2%増の1兆2000億元(約19兆円)となった。同市場の成長で恩恵を受けるのはECプラットフォームの運営業者や出店業者だけではない。運営を支援するコンサルタントも同様だ。
今年設立された「跨海峡集団(StarIT Group)」傘下の「BuckyDrop」は、越境EC向けに各種ソリューションを提供するB2B2Cプラットフォーム。開業、仕入れ、受注、発送、品質管理、在庫管理、国際物流、アフターサービスなど越境ECの運営に関する全プロセスをワンストップで支援する。
BuckyDropの経営母体である跨海峡集団は、テンセント・ホールディングスの創業メンバーだった貢海星氏が2012年に設立した企業。海外在住の華人や留学生が行う「代理購入」向けのプラットフォーム「Superbuy」から事業をスタートし、200カ国以上にサービスを提供してきた。Superbuyは、登録ユーザー数250万人、日間アクティブユーザー(DAU)30~40万人。累計800万SKUに及ぶ商品を扱い、年間売上高は5億元(約82億円)に上る。創業からの6年間で積み上げてきたノウハウをBuckyDropに結実させ、越境EC運営企業と共有していく。
具体的な業務内容は、以下の3つだ。
1)ワンストップで完了する新規開業/プラグイン
ECプラットフォームに新規出店する場合は、ターゲット顧客や商品ジャンルを入力するだけで数分で開業手続きが完了する。すでにサイトやプラットフォームを運営している場合は、URLなどを入力するだけでECプラットフォーム「Shopify」やECプラグイン「WooCommerce」に簡単に接続できる。来年初めにはオープンAPIも提供する予定だ。
2)商品供給
販売する商品は、タオバオ(淘宝)、天猫(Tmall)、京東商城(JD.com)など中国の大手ECプラットフォームから選べる。また、優良サプライヤーと提携する「BuckyDrop Supply」の豊富なラインナップから選択することも可能だ。
3)在庫と物流
外部の倉庫業者と提携し、6万平方メートルの在庫スペースを確保している。検品や包装などの庫内業務を一括して行う他、指定包装などの二次加工、OEM/ODMなどのオプショナル業務も請け負う。
物流は、DHL、フェデックス、SFエクスプレス(順豊速運)などの提携企業や同社の独自ルートで、180の国・地域へ商品を届ける体制を敷いている。
以上3つの主要サービスの他に、24時間体制で2カ国語に対応するカスタマーサービスセンターを設けている。また海外事業で蓄積したビッグデータに基づいて出稿できる広告代理業務も行っている。
現在、事業の90%を占めるのは中国からの輸出。主に海外向けの販売業者や海外の個人事業主にサービスを提供している。11月には香港の物流企業「AFL Logistics」とアライアンスを締結し、マレーシア市場に進出した。これを足がかりに、欧米、東南アジア、オーストラリアの各市場へサービスを拡大する計画だ。
主な収益源は会費だ。会員はスターター、ベーシック、アドバンストの3クラスに分かれており、サービス範囲によってそれぞれ月額0ドル、29.9ドル(約3400円)、79.9ドル(約9000円)となっている。ローンチして約半年で会員数は約1000だ。
越境ECをターゲットとしたサービスは多数存在するが、BuckyDropのように全業務をカバーできるサービスは多くない。Superbuyでの経験を生かして構築した多様な販路や取引システム、物流体制などを有するBuckyDropは、その点で差別化されている。
創業者の貢海星氏は、テンセント「5番目の社員」として、テンセント創業期から同社の事業に参画。インスタントメッセンジャーサービス「QQ」事業ではバックヤードのデータ業務を取りまとめ、同社初の終身名誉顧問に選出された。COOの李傑氏はSFエクスプレスやアマゾンに勤務した経験を持つ。
(翻訳・愛玉)
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