個人投資家と経済系インフルエンサーをつなぐ。金融アプリ「秒投StockViva」が資金調達

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投資コンサルティングアプリ「秒投(StockViva)」がこのほど、シリーズAで300万ドル(約3億5000万円)調達した。シンガポールの「Farquhar VC」、ルクセンブルクの「Kharis Capital」、香港の「宏寰集団(Hong Huan Group)」と「Angelhub」などが出資した。秒投は以前、アリババの「香港創業者基金(Alibaba Entrepreneurs Fund)」やシンガポールの「K3 Ventures」などから累計500万ドル(約5億8000万円)以上調達している。

株式投資は個人に人気の資産管理方法だが、大多数の個人投資家にとって集中的に投資の研究をするのは難しい。そのため経済系キーオピニオンリーダー(KOL=特定分野に強いインフルエンサー)による専門的なレクチャーがとりわけ重要になるが、彼らと交流する場になるソーシャルプラットフォームは専門性の高いものが少なく、情報も乱れていた。

そこで、秒投は個人投資家とキーオピニオンリーダーが香港株や米国株についてリアルタイムで交流するコミュニティを立ち上げた。共同創業者の雲鎮謙総裁によると、アプリでは主に三つのサービスを提供している。

一つ目はリアルタイムでの無料Q&Aで、ユーザーの質問に対しキーオピニオンリーダーや他のユーザーがコメントし、株式市場の情報を共有する。二つ目は取引の提携で、有名な金融機関などと提携するほか、自社でもニュージーランドの金融サービス提供許可証であるFSP(ファイナンシャルサービスプロバイダー)に登録する。三つ目はリアルタイムのオンラインレクチャーで、最もコアとなるサービスだ。キーオピニオンリーダーが香港株、米国株、オプションなどのテーマについてリアルタイムのチャットルーム、文章や動画、ライブ配信などでオンライン講座を実施したり、役立つ情報を発信したりする。ユーザーは決算書や市場の分析、短期および長期投資の戦略など投資の専門知識を学べる。

雲氏は「会社の投資価値や決算書の分析の仕方、将来の方向性に対する見方など、投資に関する分析力を高めることが個人投資家の問題解決につながる」と話す。

秒投はキーオピニオンリーダーにそれぞれが対応できるテーマのハッシュタグを設定し、アルゴリズムでユーザーとマッチングさせる。キーオピニオンリーダーは秒投と提携するとフォロワーを増やしたり知名度を上げたりできるほか、チャットルームやライブ配信で収入を得られる。雲氏によると、秒投は現在投資顧問、有名なアナリストやファンド・マネージャーなど数百人のキーオピニオンリーダーを抱えている。

雲氏は、アルゴリズムによるレコメンド機能も秒投の強みとみる。具体的には、秒投がキーオピニオンリーダーの経歴や得意分野などを分析したうえでハッシュタグを設定し、一方でユーザーのリスク選好、投資ニーズ、閲覧履歴などのデータを分析してより精度の高いマッチングを行う。

今後について雲氏はプラットフォームの強みを重視していくとし、「インフルエンサーマーケティングは現在のトレンドで、海外ではTwitter、Facebookで活躍する経済系インフルエンサーは多い。コロナ禍で海外の個人投資家もさまざまなプラットフォームでキーオピニオンリーダーを探している。しかし、経済分野で個人投資家とインフルエンサーの両方に向けてサービスを提供しているアプリは少ない」と話す。

雲氏は国際会計事務所KPMGやスイスの投資銀行、もう一人の共同創業者である羅智豪氏はJPモルガン・チェース、KPMGに勤めた経験がある。その他のコアメンバーはテンセント、ヤフーなどの有名なインターネット企業の出身だ。

(翻訳:36Kr Japan編集部)

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