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アンチエイジング(抗加齢療法)バイオテクノロジー研究開発の「Regenerative Bio」は、エンジェルラウンドで2回にわたり約1000万ドル(約11億5000万円)を調達した。1回目は「IMO創投(IMO Ventures)」が出資を主導し、「険峰長青(K2VC)」「UpHonest Capital」「Taihill Venture」も出資に加わった。2回目は「五源資本(5Y Capital)」がリード・インベスター、「雅億資本(Yael Capital)」がコ・インベスターとして参加した。 調達資金は国内研究所の整備やAI(人工知能)スクリーニングプラットフォームの改善、テクノロジーを用いたアンチエイジングブランド「LAIFE」のプロモーション等に充てられる。
Regenerative Bioは、バイオテクノロジー分野のアーリーステージに特化したファンド「Forcefield Venture」の支援を受けて米国ボストンで起業し、2021年に国内オペレーションセンターを設立した。同社は、AIやクラウド連動型高性能計算を使用する世界初のアンチエイジングバイオテクノロジー企業であり、AI創薬技術と生物学を融合させ、抗加齢効果のある成分、配合、治療法を探ることで加齢による健康問題の解決や健康寿命の延長を目指している。
共同創設者の趙雪琛CEOは「現代医学の発展で最大寿命が延びた反面、健康寿命は延びておらず、病気に苦しむ時間が増えてしまっている。アンチエイジング産業の発展を通じて、健康で生産的に過ごせる時間を延ばすことが私たちの目的だ 」と語る。
現在、シリコンバレーのエリートはアンチエイジング分野への投資を活発化させている。「アルトス・ラボ(Altos Labs)」は、エピゲノム(人体の設計図にあたるゲノムの働きが微妙に変化する現象)をリプログラミングすることで体の一部または全体の機能を活性化する研究をしており、同社はアマゾンの創設者ジェフ・ベソス氏やDST Globalの創設者ユーリ・ミルナー氏など著名な富豪から累計30億ドル(約3,500億円)を調達済みだ。また「アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)」は昨年12月に1億8000万ドル(約207億円)を募り、アンチエイジングスタートアップを支援するための布石を敷いている。
しかし、抗加齢医薬品の研究はまだ初期段階にあり、十分な検証を行う臨床試験が必要だ。また、医薬品の開発周期は長く不確実性が大きい上にコストもかさむ。こうした課題に取り組むためRegenerative Bioは世界で初めて抗加齢研究分野にAI創薬技術を用いてFDA(アメリカ食品医薬品局)承認薬、OTC医薬品モノグラフ、食事成分、GRAS物質などを含む薬理学の情報ナレッジグラフを構築した。効果の大きいスクリーニング実験にターゲットを絞ることで研究開発コストが削減でき、アンチエイジング効果がある成分と物質の組み合わせを効率的に探すことができる。
目下、Regenerative Bioは世界初のAIベースの抗加齢物質スクリーニングプラットフォーム「PASS」を構築しており、ドラッグデリバリー、製剤、成分比率などの分野で商品化可能なアンチエイジング商品の有効性と安定性を高めることで、研究開発コストを削減できる。趙CEOによると、PASSプラットフォームはこの1年間に技術面の実現可能性の検証を終え、商業化の成果が現れ始めているという。
法人向けにはPASSプラットフォームを通じて技術提供を行い、パートナー企業の商品開発も支援している。同社が支援したアンチエイジング関連企業「細胞伴侶」は、すでに数千万ドル(数十億円)を調達した。
製薬のロジックをサプリメント業界にも導入し、一般ユーザー向けには安全性と有効性のある新ブランド「LAIFE」を発売した。ブランド名は「LIFE with Al」から取られるなどAIベースのアンチエイジングに焦点を当てており、シリーズ商品はすでに越境ECモール「京東国際(JD Worldwide)」上で取り扱われている。
このほか、一般ユーザーの異なるニーズに対応し、25〜35歳の女性消費者を対象に長期服用に適した栄養素ブランド「YOUNG&」投入に向けた準備も進めている。
経営チームは、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア大学バークレー校、インペリアル・カレッジ・ロンドンなどのトップスクールからの人材が中心であり、技術開発と事業化の豊富な経験を有する。
(翻訳・大沢みゆき)
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