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中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)はスペイン・バルセロナで開催されたモバイル業界最大の展示会「Mobile World Congress(MWC)2019」で、折り畳み式スマートフォン「Mate X」を発表した。同社初の次世代通信規格「5G」対応スマホで、販売価格はメモリ8GB+ストレージ512GBモデルが2299ユーロ(約29万円)。2019年中頃の発売を予定している。
ファーウェイのコンシューマービジネスグループ(CBG)CEO、余承東(リチャード・ユー)氏によると、Mate Xは世界で最も通信速度が速い5G対応スマホだ。Mate Xは同社が開発した7nmプロセス採用5G対応マルチモードチップセット「Balong 5000」を搭載しており、ピーク時のダウンロード速度が理論値で業界最速の4.6Gbpsに達するほか、1枚のチップで2G、3G、4G、5Gという複数の通信規格に対応する。
ディスプレイの大きさは前面が6.6インチ、背面が6.38インチで、広げると8インチになる。折り畳み部分には「Falcon Wing」デザインを採用することで、折り畳み時にディスプレイ同士がぴったりと重なるようになっている。本体を広げた時の厚さは5.4mm、折り畳み時の厚さは11mmだ。
同社はさらに、次世代フルビューディスプレイ搭載ノートパソコンの「HUAWEI MateBook X Pro」、「HUAWEI MateBook 13」、「HUAWEI MateBook 14」のほか、5G対応CPE(顧客構内設備)端末の「5G CPE Pro」も発表した。
ファーウェイは高い成長率を武器に韓国のサムソン、米アップルに迫る市場シェアを獲得し、今では世界三大スマホメーカーのひとつになっている。IT専門調査会社のIDCによると、同社の昨年の出荷台数は世界全体で2億600万台と前年比33.6%増となり、市場シェアは14.7%だった。2019年のスマホ出荷台数は2億5000万台を目標に掲げている。2020年には3億台の大台に挑み、サムソンに代わって世界最大のスマホメーカーになろうとしている。
サムソン、ファーウェイが発表した量産化モデルの折り畳みスマホは、いずれも価格が1万元(約16万円)を超える。発売初期は材料費がかかることや良品率が低いなどの理由で価格を抑えることは難しい。価格の高さが折り畳みスマホの普及を妨げる一つの要因になるとみられている。
また、発売直後は折り畳みスマホ向けソフトウェアが充実していないため使い勝手が悪く、消費者の購買意欲がそがれることも考えられる。
現状をみる限り、折り畳みスマホはメーカーの技術力を誇示する端末という側面が強く、大量出荷は見込めない。だが、ファーウェイCBGスマホ部門トップの何剛氏は取材陣に対し、Mate Xの月産台数が10万台以上に達する可能性もあると強気の見通しを示している。
(翻訳・池田晃子)
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