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中国は今や世界最大の海外旅行客「送出国」だ。2017年に観光を目的として出国した国民はのべ1.3億人、なかでも自由旅行が42%を占めている。艾瑞諮詢(iResearch Consulting Group)によると、2017年オンライン旅行業の取引規模は856億元(約1兆4190億円)で、スケルトンツアーは、その内わずか7.9%の68億元(約1112億円)である。そのため、ここ数年オンラインスケルトンツアー分野に挑戦する業者が続々と現れているが、実際に利益を出している企業は多くない。
最近、海外旅行を主に取り扱うスケルトンツアー旅行会社「無二之旅(Uniqueway Inc.)」が注目されている。無二之旅の共同創業者である蔡韻氏によると、同社は2018年に黒字転換し、2019年に規模による利益が実現できるという。
AI システムの応用と管理効率の向上により、無二之旅の年間オーダー率は100%の成長を見せている。2018年の粗利水準は2017年と比べて2倍となっており、年間売上高は2016年から2018年にかけて4倍以上に拡大している。
文化型旅行業は伝統的な労働集約産業だが、無二之旅は様々なテクノロジーイノベーションを試み、これまで17項目のソフトウェアの著作権を獲得している。2017年にはハイテク企業として、高新技術企業証書を授与された。明らかな業績改善が実現できたのは、下記の技術革新にも関係している。
■ テクノロジーの応用によりコストを削減し、効率を高めている。無二之旅は社内POIデータベース、CRMシステムの構築によって、ツアープランナーの90%以上の作業をAIシステムに任せている。システムはこれまで蓄積された30万件のPOIに基づいて、18億件の実行可能なプランを作成することができる。数分以内に組み立てられた旅行プランは、人手による審査、補完を経て、完成するまでの所要時間を2時間以内に圧縮することに成功している。
■ 今までこのシステムに対して1億元(約16億円)の基礎投資をしている。さらにアルゴリズムの精度を高めるため、清華大学AI研究室と提携している。多額な先行投資に比して目に見える効果は小さいが、旅行プランを、Pythonライブラリの公開データではなく、無二之旅の30万顧客の真のニーズと旅行情報に基づいて作成すると、同社プランには実行可能性、体験の快適さなどの面で競争力があると蔡韻氏は述べている。
■ 「販売の各段階における加重アルゴリズム」と販売システムの補助ツールがコンバージョン率(申込数÷ツアーの問い合わせ数)を15%高めている。バックオフィスシステムは過去3か月の販売スタッフの成約状況とお勧めの目的地と顧客グループ等の情報に基づいてプラン作成しており、サービスの正確性を高めている。この他にもシステムの自動リカバリ、トークによるセールスガイド等も作業効率向上を促進している。
■ 効率の向上はコストの削減をもたらし、顧客に還元できる薄利多売につながる。無二之旅は現在主に10日以上の長期海外旅行のスケルトンツアーサービスを提供しており、客単価は4.5万元(約74万円)(オーダー1件あたり平均2.8人)であり、1人当たり平均1.5万元(約24万円)前後である。従来のスケルトンツアーと比べて価格が抑えられている。
■ プランの制定、販売の自動化だけではなく、プランが確定した後でシステムが自動的に航空券、ホテルなどを予約するようになっている。
■ 2017 年に B to B サービスを始めて以来成長が加速している。この部分における売上はすでに総売上高の50%前後を占めている。
この他、蔡韻氏によると、オーダー源を見ると、一点に集中している多くの自由旅行サービス会社と異なり、無二之旅はインターネットの自然検索、Weiboの公式アカウント、異業種提携先、OTAプラットフォーム及び提携先旅行会社などの顧客獲得ルートの占める割合がそれぞれ比較的均等である。。また、1年以内のリーピタ―、得意先による紹介の割合は50%に達している。
2019 年の無二之旅の重点は技術開発のイテレーション、企業顧客の開拓、さらに利益獲得能力を高めていくことである。同社は現在従業員約300人、累計で4シリーズの資金を調達しており、前回は2017年シリーズBで中石油昆侖信託傘下の「昆侖信元基金」から5000万元(約8億円)を調達している。
(翻訳・桃紅柳緑)
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