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2015年5月に創業された「哈特瑞姆(heart rhythm、”心拍リズム”の音訳)」は、中国国内の心臓病分野における初の専門医師スペシャリストグループだ。北京の6か所の大型三級甲等(最高レベル)病院に所属している7名の第一線の専門家により設立された。
現在、メンバー医師128人と運営チームスタッフ40人によって構成される哈特瑞姆は、全国18か所の病院と業務提携をしている。1年間で実施した手術数は6000例以上で、1万5000人の心臓病患者のフォローアップ管理をしている。また学会、研修、ボランティア診療活動を300回以上実施し、10万人の人口をカバーしている。
創始者である北京朝陽医院心律失常科(不整脈科)主任の劉興鵬教授によれば、哈特瑞姆の急成長の背景には、社会の様々なニーズがあった。心臓病患者には、医師との長期的な信頼関係と一生涯の管理が必要である。医師側から見れば、職業技能、仕事における達成感及び収入の向上が必要である。患者と医師をつなぐ病院アライアンスの連携が哈特瑞姆の成功に大きく貢献している。また、国の「複数病院への勤務」を許可する政策により、社会に貢献できる医師スペシャリストグループが誕生したといえる。。
心臓病患者の「生涯ケア」体制の確立
25年間の医師としての経験が劉興鵬教授に教えたことは、医師と患者の関係は決して「一度だけの付き合い」ではなく、一生涯続くもので、特に心臓病患者は生涯にわたるケアが必要だということである。
故に、哈特瑞姆はMDT(Multi Disciplinary Team、多職種で構成される支援チーム)モデルにより、各専門の医師が患者の病状について総合的に分析を行った上で、合理的かつコストパフォーマンスの高い治療プランを作成するというソリューションを提供している。入院患者に対して、医師は「すべての能力をフルに」使って治療に当たり、患者から高い信頼を得られている。
心臓病患者の院外管理ニーズに対して、哈特瑞姆は入院前の問診予約と生化学検査、入院中の記録作成と指導、そして退院後の健康回復管理と服薬指導等フォローアップ管理体制を完備している。簡単に言うと、心臓病患者のケア期間を入院中から入院前と退院後に拡大するモデルによって患者の「生涯ケア」のニーズを満たしている。
大都市の専門家リソースを活用して「地元で治す」の実現
現在中国のおよそ2.9億人の心臓病患者のほとんどが一般の市町村に分布している。2000年から農村における心臓病発病率が急速に上昇し、都市の発病率を上回っているが、優れた医療資源は大都市の三級甲等病院に集中している。哈特瑞姆はこれら病院の医師のリソースを活用し、一般市町村の患者が「地元で」心臓に関する重大疾病の治療を受けられることを目指している。
例を挙げると、一般の市町村に当たる山東省徳州市の陵城区人民医院は哈特瑞姆と心臓病センターを共同設立してから1年後、各種の心臓外科手術及び心臓インターベンション治療を534例実施している。これは、前の年の2倍の数だ。心臓電気生理学的検査がゼロからスタートして現在では全市トップとなっているほか、年間70例以上の急性心筋梗塞のPCIを実施している。
商業化への道のり
現在、哈特瑞姆には3通りのビジネスモデルがある。一つ目は、主な収入源である提携病院からのコンサルティング料と技術サービス料。二つ目は、医師や市町村の病院向けの講習会や研修会収入。三つ目は、患者と提携先からの「生涯ケア」に関するコンサルティング料だ。患者の負担を増やすことなく、会社は昨年から利益を出している。
劉興鵬教授は、「現在哈特瑞姆と提携したい医療機構が30以上あるが、今会社ができることは既存の医師リソースを適切に配置し、若い医師と市町村の医師を育てることであり、むやみに事業を拡大することではない」と語っている。
そのため、哈特瑞姆は資金調達に対しても慎重な態度をとっている。今までで、同社は資金調達を一回しか行っておらず、10%の株式を譲渡しただけである。
(翻訳・桃紅柳緑)
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