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「バイドゥ(百度)」の教育事業をめぐり、2018 年末から組織再編が行われていた。内部及び提携先の関係者によると、バイドゥ新事業グループに属する教育事業部が閉鎖され、マネージャーの張高氏はすでに他の部門に異動となっているという。
教育事業の位置づけのブレ
2015 年末に設立されたバイドゥ教育事業部はビデオカリキュラムを配信する「教育関連ECプラットフォーム」と位置づけされていた。当初は、検索トラフィックを通じてユーザーを「ライブラリ」やオンラインカリキュラムへと誘導することで、新たなオンライン教育ポータルがすぐに立ち上げられると期待されていた。
ある元マネージャーはかつて次のように語っていた。「BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の3社の中で、教育分野をリードできるのはどこなのかというと、それはバイドゥだ。検索から始まったバイドゥは、検索を通じて教育サービスにアクセスできる。このルートは、アリババのECやテンセントのソーシャルと比べて、最もわかりやすい。」
しかし、このようなトラフィックに頼るB2C(企業対個人の取引)の考え方にはすぐに問題が出始めた。
例えば、携帯電話や冷蔵庫の購入を考えているユーザーは、検索によって類似商品の価格を比較し、直接ECサイトで注文する。しかし、バイドゥ教育プラットフォーム上の、数時間、さらには数週間にわたるビデオカリキュラムの購入に対しては、ユーザーの意思決定コストは高くなる。簡単に言うと、バイドゥの検索トラフィックが教育商品の購入促進につながらないということだ。さらに、バイドゥの教育プラットフォームにおいて、知名度の高い教師の不足も致命的な欠点であった。
2018 年 1 月、オンライン有料学習プラットフォーム「百度伝課(chuanke.com)」は公式サイトにてユーザーサポートの停止を発表し、それに伴いビジネスモデルを有料の知恵袋、定期購読といった知識課金へと転換している。コンテンツの方向性も本来の「基礎ゼロから学ぶC言語」から「独身男性のナンパテクニック」、「0から1までよく分かるブロックチェーン」などへと変化している。
しかしこういった試みはまだ大きな成果が出ていない。一方で当時の知識課金分野はすでにレッドオーシャンとなっており、マーケットにはすでに「得到(iget)」や「知乎Live(zhihu)」、「分答(Fenda)」など多くの大企業や個人メディアが続々と参入していた。
一方で“AI+教育”イノベーションも、バイドゥ教育が直面している問題を解決できなかった。同事業には、検索トラフィックが教育商品の購入促進につながらないというボトルネック、コンテンツソースの不足という問題が依然として存在していた。
2018年 7 月、複数の関係者によると、前述の有料学習プラットフォーム百度伝課は完全に閉鎖され、20人ほどのチームは現在すでにその他の事業部に異動しており、アプリのコンテンツ更新も停止している状態だという。
B2Bに重点を置き、「クラウド」と共に
教育分野では挫折が続いたが、バイドゥは教育といううまみのある分野を完全に諦めるつもりはない。
2017年9月に発表されたバイドゥ教育のSaaSサービス「百度智慧課堂」は、小学校から大学院までの学校向けの、教師の授業準備と授業補助を中心としたサービスである。小中学校の教師に対しては、授業の進み具合を自動的に判定しながらカリキュラム、授業方法、練習問題、他の教師の経験などのコンテンツを推薦する。そして大学などの高等教育機関の教師と学生に対しては、その専門における参考資料を推薦し、しかも、学校の教務システムと一体化させている。
上述のように、もともと「百度クラウド(百度雲)」の重点分野であった教育事業が新たな展開を迎えている。 2018 年3 月に開催された「百度雲智サミット」では、「啓航校園計画(キャンパスプロジェクト始動)」が発表された。これは学校運営管理システムの開発者向けに、クラウドベーシック、スマートオペレーション、ビッグデータ、会話型AIアシスタント「DuerOS」等を含む3か月のクラウドサービスを18元(約300円)で提供する破格プランである。
「クラウド業務に統合されてから、バイドゥ教育事業が多くの教育市場を開拓している。『百度雲』は学校と教育機関のクライアントを獲得する新たな入り口だ」とある内部の関係者が語った。
これまでに教育部門の元マネージャー張高氏は、2017年下半期からビジネスクライアントユーザーを開拓し、3か月以内に1000校を、2018年には5000校を獲得する計画だと語っていた。
こうしてみると、かつて位置づけが定まらず何度もフィールドを変えてきた百度教育は今ようやくその戦略が見えてきたといえる。中国の経済誌『財経(CAIJING.COM.CN)』の報道によれば、今年百度雲の売上目標は100億元(約1600億円)である。これは、2018年の売り上げ33億元(約526億万円)の3倍だ。
(翻訳・桃紅柳緑)
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