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中国商務部、肖像撮影協会とブライダル業界の調査会社などの統計によると、2018年中国の写真撮影産業(写真や動画の撮影・制作)の市場規模は約4000億元(約6兆4000億円)、ブライダル産業の市場規模は約1兆4000億元(約22兆4000億円)だという。しかし、これほどの巨大市場にもかかわらず、写真撮影業界全体は依然として情報化、標準化が進んでおらず、粗利益率が10年前の70%から50%に低下している。
また、業界のサプライチェーンにおいては、サプライヤ側と販売代理店側のどちらも分散型市場であり、スケールメリットが得られない上、双方の信頼関係も築けていない。
元々消費者向けにウェディングフォトサービスを提供していた「悦百分(yuebaifen)」は、こうしたペインポイントに目を付け、写真撮影業界とブライダル・旅行業界のリソースを結び付ける法人向けの「B2B+SaaS」モデルを構築し、両者の信頼関係や資金サービスの質を確保する中立な第三者を目指す。
例えば、バリ島でウェディングフォトの撮影を希望する北京の消費者は、これまではわざわざ各撮影所に足を運び、写真撮影のためのドレス、人件費、機材等に関する情報を確認する必要があった。さらにホテルや航空券の予約も自身で行う必要があり、これらの作業は非常に面倒で、高額な費用もかかる。
これに対し悦百分は、国内外の提携サプライヤの標準化したサービスをパッケージ商品として、国内の販売代理店(ブライダル、撮影、旅行会社)に提供するというソリューションを打ち出した。消費者は、販売代理店のホームページを通じて撮影地の景色や撮影効果などの情報を確認した上で商品を購入できる。契約や支払いは悦百分のプラットフォーム上で行われ、注文は該当する撮影サプライヤに送られる。サプライヤはサービスの提供やクレームの対応に当たり、サービス終了後に悦百分から代金を受け取るという仕組みだ。
現在、悦百分は世界23か国54地域の200あまりのサプライヤと提携を結んでいる。消費者の事前の注文に応じて、現地のサプライヤが撮影チームや現地ガイドの派遣、機材運搬等のサービスを手配する。また、共通のスケジュール管理によって、サプライヤ側は在庫調整や生産性アップ、販売代理店側は取り扱う商品の充実や売上拡大が期待できるという。
このほか、販売代理店向けSaaS(Software as a Service)の提供も行っている。2時間半で公式ホームページを制作するサービスに加え、代金支払いやローンサービスも取り入れ、販売代理店のWebサイトを標準化させている。さらに仕入れツールやデータ分析ツールも追加されているため、業績データの統計や仕入れ管理の効率もアップできる。また、顧客情報システムを構築し、顧客情報の管理や将来的なマーケティングに活用することができる。
悦百分は、これまで1600もの販売代理店にサービスを提供してきた。取り扱う商品の種類は2000を超え、取引額は前年同期比338%増、B2Bサービスの取引額は1億元(約16億円)、販売代理店向けのSaaSの取引額は5億元(約80億円)を超える。
創業者でシリアルアントレプレナーの鄭毅氏は、中国人像撮影学会(China Portrait Photography Society)のデジタル化専門委員会の執行会長兼秘書長を務める。共同創業者の張帆氏はバンクーバーのUBCビジネススクールを卒業し、マーケティングを担当する。
現在、悦百分はチーム拡大、市場開拓、システム開発のため、新たな資金調達を検討している。
(翻訳・桃紅柳緑)
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