任天堂「Switch」中国発売への布石か?テンセントゲームズ、ポケモンとゲーム共同開発で合意

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中国最大手のゲーム企業テンセントゲームズ(騰訊遊戯)が22日、任天堂の出資会社「ポケモン」と新作タイトルの共同開発を行うと発表した。

ポケモン(ザ・ポケモン・カンパニー)は、ゲームやアニメ、カードゲームをはじめとした「ポケットモンスター」関連コンテンツや、グッズ販売、ライセンス管理、タイアッププロモーション、イベントなどを手がける総合マネジメント企業。

今回の発表により、テンセントゲームズと任天堂の協業がさらに進んだとみてよいだろう。昨年9月には、テンセントゲームズが配信する人気タイトル「王者栄耀」の海外版「伝説対決-Arena of Valor-」が、任天堂の主力ゲーム機「Nintendo Switch」に提供されている。

今年4月、テンセント(騰訊控股)と任天堂はゲーム事業で協力していくと発表しており、テンセントがNintendo Switchの中国市場での販売を手がける計画だという。同月、広東省文化・旅行庁はゲーム機器審査の合格リストを発表しており、テンセントが販売を申請したNintendo Switchの審査通過が明らかとなった。

テンセントは今年7月、インタラクティブエンターテインメント事業部(IEG)に「任天堂合作部」を新設しており、現在はこのIEGがNintendo Switch関連事業を管轄している。

中国市場は任天堂が長らく進出を望んできた市場だ。外資のゲーム企業が中国市場に参入するには、テンセントかネットイース(網易)いずれかの国内大手企業と協業することになる。ネットイースも今年、中国初となる公式モバイルゲーム「ポケモンクエスト(宝可夢大探検)」の発売を発表した。とはいえ、計画は大幅に遅れている。1月には予約ページも開設しているが、発売時期は未定のままだ。

任天堂は今後も、テンセントゲームズ傘下でゲーム開発を手がける「TiMiスタジオグループ(天美工作室群)」と共に、主に海外市場に向けて対戦型ゲームを強化していく方針だという。

市場調査会社Newzooの「2018年世界ゲーム市場報告」によると、テンセントのゲーム事業の売上高は197億ドル(約2兆1300億円)で世界1位。一方、任天堂は4億3000万ドル(約470億円)で9位だった。しかし、ある業界関係者は「テンセントが株価や売上高のさらなる成長を目指すなら新作発表は必須だ。しかも、オリジナルタイトルを増強すべき」と述べる。テンセントは、任天堂の擁するIP(知的財産権)や家庭用ゲーム機におけるノウハウを活用することで、成長の頭打ちが見えてきたオンラインゲームを補完する新戦略を見出したい考えだ。無論、任天堂にとってはテンセントが擁するスマホゲームの開発力、中国市場における販売力が魅力となっている。
(翻訳・愛玉)

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