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中国では今年初めから、電動スクーター向けのバッテリーシェアリングサービスが徐々に事業化されており、注目を集めている。
アリババやテンセントなどの大手企業や、中国の大手車載バッテリーメーカー「寧徳時代新能源科技股(CATL)」、通信基地局を運営する国営企業「中国鉄塔(チャイナ・タワー)」なども熱い視線を向けており、多くのベンチャー企業が商機をつかむために資金調達に動いている。
2016年11月に創業した「興達智聯科技(Xingda Zhilian Technology)」が手がける「哈喽換電(Hello )」もこうしたサービスの一つだ。同社はすでに全国60以上の都市にバッテリー交換設備を設けており、今年中に全国で18の一、二級都市および210の三級以下の都市にバッテリー交換設備を新設する計画だという。
創業者兼CEOの張仕洋氏によると、同社は2017年後半に河北省秦皇島市と上海市の2カ所で試営業を開始、財務モデルや事業モデルの検証を行った。現在、各都市の状況によって差はあるが、開業資金の回収期間は3~10カ月だ。
事業展開する都市の選択について張氏は、「競争が激しくない都市なら、短期間で価格競争になる可能性は低い。価格競争になったとしても自社にとって有利な場所柄なら、参入をためらわない」と語った。
同社は当初、企業が抱える配達員にバッテリーシェアリングサービスを提供していた。今年2月からは一般顧客向けにもサービスを開始している。現在、法人向けと一般顧客向けの比率はだいたい6:4だという。
同社はリン酸鉄リチウムイオン電池(LiFe電池)を採用しており、バッテリー交換設備に使用する全部品は耐燃性の機材で、停電や通信遮断状態でも正常に機能する。
現在、他社のバッテリー交換設備の多くが、新しいバッテリーを取り出す際にスマートフォンで二次元コードをスキャンして解錠する必要があり、さらにハッチドアが設けられているところもある。しかし、同社の設備にはハッチドアがなく、ロック解除も必要ない。ユーザーは電動バイクから外したバッテリーを所定の場所に差し込むだけで新しいバッテリーと交換できる。差し込んだバッテリーに登録されたユーザーIDが自動的に読み取られて、ユーザーの口座から直接料金が引き落とされる。このシステムにより、バッテリーの交換がスムーズになるだけでなく、ユーザー(配達員)のスマートフォンが電池切れなどによってスキャンができないという事態を回避でき、配送の遅れなどを防げると張氏は語る。
哈喽換電のようなバッテリーシェアサービス企業にとって、バッテリーの長期的かつ安定した供給が極めて重要だが、張氏はそれらの企業が自前でバッテリーを生産することはないと語る。同社はかつて自社ブランドでバッテリーシェアリングサービスを展開したが、振るわなかった。そこで、有名自動車企業と提携し、提携先が持つ成熟した販売チャネルを利用して宣伝を行った。老舗ブランドのお墨付きを得たとして、一般顧客の獲得に弾みがついたという。
同社は今年5月にシリーズAで電動二輪車国内最大手「雅迪電動車(Yadea Electronic Scooters)」から数千万元(約数億~十数億円)を調達した。雅迪が同社の株主となってからは、雅迪の新車種はすべて同社のバッテリー交換システムと互換性を有している。哈喽換電は雅迪以外に、「愛瑪(AIMA」」や「比德文(BYVIN)」などの車両にもバッテリーシェアサービスを提供している。
張氏は、「バッテリーシェア事業は、ベンチャー企業だけに依存していては、発展が難しい。既存の自動車メーカーと提携し、共に市場を育てて、企業連盟を立ち上げる必要がある。そうすることにより、事業者の経営負担を軽くすることができ、また提携先のメーカーにも新たな収益手段を提供できる」とした。
(翻訳・虎野)
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