中国、eスポーツプレーヤー5億人近く 市場規模や観戦者数も世界一

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デジタル技術の更新が進む中国でeスポーツが急速に発展している。プレーヤー人口は2022年末時点で約4億8800万人。市場規模や発展ペース、観戦者数のいずれも世界一を誇る大盛り上がりを見せている。
 
社会や経済とのつながりが深く、スポーツ、娯楽、電気通信、ソフトウエア・ハードウエア設備製造などさまざまな分野に関わる産業として、新時代のスポーツ産業のさらなる発展や高度化、革新原動力の増強などの重要な呼び水にもなる。
 
「eスポーツはデジタルスポーツ産業の激戦区になっている」。中国社会科学院ニューメディア研究センターの黄楚新主任は、中国ではデジタル経済の市場規模が拡大の一途をたどっており、今後もさらなる成長が期待され、その重要な一部であるeスポーツ経済は消費拡大に新たなチャンスを生んでいると指摘した。
 
業界の長期的で大規模な成長を後押しし、産業のルールに基づいた秩序ある健全な発展を促すため、中国はeスポーツの教育や理論研究を進めている。国家体育総局が15年、「eスポーツ競技会管理暫定規定」を打ち出し、産業の発展を政策からサポートし、必要なルールを定めた。19年には人力資源・社会保障部が「eスポーツ運営師」「eスポーツ競技員」を新たな職業として追加した。
 
市場規模の拡大は旺盛な人材需要を生み出し、教育の発展をもたらした。eスポーツ・スポーツマネジメント学科が16年、スポーツ系学科に分類され、中国伝媒大学など65校がeスポーツ関連学科を設置している。
 
eスポーツは文化の交流や普及を促す役割も果たしている。ユニバーサル・スタジオ・北京は最近、人気オンラインゲーム「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」のヒーローパレードを開始、中国のeスポーツ文化とトレンドを合わせたスペクタクルを上演している。ユニバーサル・北京・リゾートの趙霖マーケティング・販売上席副総裁は、観光市場が力強く回復する中、ゲームIP(知的財産)をオフラインの業態に持ち込むことは、現地の文化に自ら溶け込み、テーマパークや遊園地の体験をより多彩にする有益な革新だと指摘した。
 
各地からの支援策発表も相次いでいる。上海市は「本市文化クリエーティブ産業の革新的発展の加速に関する若干の意見」を発表し、「グローバルeスポーツの都」を目指すとした。広州市は、ゲームの開発・制作、コンテンツ制作、競技会開催、施設建設、ライブ配信・中継などを一体化したゲーム・eスポーツ産業のエコシステムを構築、「世界eスポーツ都市」をつくるため100億元(1元=約20円)規模のeスポーツ産業クラスターを育てる方針を掲げた。
 
暨南大学公共管理学院の胡剛教授は「多くの都市がeスポーツ産業の発展を促すことは、それがもたらす経済発展チャンスを期待するからだ」と指摘。プレーヤー人口が多いから、経済効果を生み出し、都市のイメージを高められると述べた。
 
9月に浙江省杭州で開幕する第19回アジア競技大会では、eスポーツが大会史上初めて正式種目として競われる。中国代表として羅思源と孫麟威の2人を送り出すeスポーツクラブ「eStar」の親会社、星競威武集団(NIPグループ)の何猷君董事長兼最高経営責任者(CEO)は「杭州大会の開催は業界にとって持続可能な発展への自信を高めるカンフル剤になり、中国さらにはアジア全体のeスポーツ産業発展の好機にもなる」と期待を語った。(新華社北京)

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