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フランス北部のオー・ド・フランス地域圏で形成が進む車載電池関連産業の集積地「バッテリーバレー」では、中国の電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)産業チェーンの川上・川下企業の進出が注目を集めている。中国企業は電気自動車(EV)分野で名実ともに主導的地位を確立しており、フランスの関連業界は中国勢との提携から利益を得ることに期待を寄せている。
バッテリーバレーは北のダンケルクから南のドゥエに広がり、全長約100キロに及ぶ。その中央部に位置するリュイッツでは、中国自動車部品大手の敏実集団(ミンスグループ)が2023年に仏自動車大手ルノーと合弁で建設したバッテリーケースの生産ライン2本が稼働している。ジャン・リュック・ボワ工場長によると、生産ラインは3カ月足らずで設置が完了し、今はルノーの新型EV向けバッテリーケースを急ピッチで生産しているという。
オー・ド・フランス地域圏は18年にバッテリーバレー構想を打ち出した。直近3年間で巨大工場4社が進出を決め、生産能力は合計で100ギガワット時を超える。4社のうち、多国籍自動車メーカーのステランティスと仏エネルギー大手トタルエナジーズ、独メルセデスベンツが合弁で建設したバッテリーメーカー、オートモーティブセルカンパニー(ACC)の工場がすでに稼働しているほか、仏スタートアップ1社、中国企業2社が投資するバッテリー工場が工事中となっている。
仏北部の経済振興機関ノード・フランス・インベストのヤン・ピトレー最高経営責任者(CEO)は、中国再生エネルギー大手、遠景科技集団(エンビジョングループ)傘下の車載電池メーカー、遠景動力(エンビジョンAESC)がドゥエに建設したバッテリー工場がまもなく生産を開始するほか、中国台湾の輝能科技(プロロジウムテクノロジー)が23年に投資・建設を発表したダンケルクの固体電池工場が事業の初期段階にあるとし、「すべてが順調に進むはずだ」と述べた。中国企業は電池原材料・モジュール工場にも投資しており、「バッテリーバレー」のビジネスエコシステムにおいて「重要性はかなり大きい」との認識を示した。その例として、ミンスグループとルノー合弁のバッテリーケース製造会社や、エネルギー関連の新材料を手がける厦門厦鎢新能源材料と原子力関連事業を手掛ける仏オラノが23年、ダンケルクでのリチウムイオン電池用陰極材料生産事業に共同で投資すると発表したことなどを挙げた。
ピトレー氏は「中国企業は電池技術とEV分野で名実ともに主導的地位を確立しており、競争優位を備えている。中国企業とパートナーシップを結ぶことで、先進技術から利益を得ることを心から望んでいる」と述べた。【新華社リュイッツ3月4日】
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