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中国通信機器大手のファーウェイ(華為技術)が10月22日、独自開発のオペレーティングシステム(OS)「HarmonyOS NEXT」を発表した。米アップルの「iOS」、米グーグルの「Android」に続く、第3のモバイルOSとなる。ファーウェイの消費者向け端末事業部を統括する余承東(リチャード・ユー)氏は、OS技術を飛躍的に高めた過去最大のアップデートだと自信をのぞかせた。
「HarmonyOSは他社OSの代替品ではなく、これまでにない全く新しいOSに仕上がっている」。過去のバージョンはオープンソースのAndroidをベースに開発されていたが、HarmonyOS NEXTではAndroidから脱却し、全て独自開発のシステムベースを採用しているため、Androidアプリはサポートされなくなったという。
HarmonyOS NEXTはデバイス間の連携が非常に便利になっており、消費電力を抑えつつ接続速度が3倍に向上したほか、デバイス同士を近づけるだけで手軽に画像やファイルの送受信ができ、同時に4台まで接続が可能。ファーウェイのエコシステムパートナー企業にもサービスを提供する。イベントで紹介されたデモ映像では、スマートフォンで撮影した画像がタブレットにも表示され、画像を送信するという余分な手間をかけずに、すぐさま編集に取りかかれる様子が示されていた。
また、電子書籍を複数デバイスで同期すれば、タブレットで途中まで読み、その続きをスマホから読むということも可能だ。
ファーウェイの大規模言語モデル「盤古(Pangu)」をベースにしたAIアシスタント「小芸(Xiaoyi)」も、性能や推論能力が大きく向上した。例えば旅行プランの作成を指示すると、具体的な観光プランを提案するだけでなく、関連する入場チケットの購入ページに直接アクセスできるリンクも添付してくれ、準備にかける時間を大幅に節約することができる。
さらに、指の関節を使って画面の一部を丸く囲み、指定した範囲のスクリーンショットを撮る機能も備わっている。気になる服やアイテムのスクリーンショットを撮れば、小芸が画像の商品をタオバオやJDドットコムなどのECサイトで探し、その商品ページを表示してくれる。
IDや口座番号などのスクリーンショットの場合は小芸がそれを記憶しておき、他のアプリで情報の入力が求められたときに、必要な内容を自動で入力する。これについてファーウェイは、ユーザーの個人情報はスマホ本体にのみ保存され、外部に送信されることはなく、いつでも確認や削除が可能であることを強調した。
ファーウェイは2015年からHarmonyOSの開発に取りかかり、20年にオープンソース化した。それから4年の間、675万人の開発者が参加し、700万行だった初代バージョンのコードは今や1億1000万行を超えている。
HarmonyOSを搭載したデバイスはすでに10億以上に上り、スマホ、タブレットPC、ウエアラブルデバイスだけでなく、スマートコックピットやスマートホームなど幅広い分野で活用が進んでいる。現時点で、HarmonyOS NEXTでは1万5000種類のネイティブアプリやサービスが利用でき、4カ月前に公開された開発者向けベータ版の1500種類から大幅に増加した。
(翻訳・畠中裕子)
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