中国発ショートドラマ、米国が最大の海外市場に。日本でも驚異の「シェア9割」

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中国ではここ数年、ショートドラマの「輸出」が文化産業の新たなトレンドとなっている。中国中央電視台の財経チャンネル(CCTV2)は1月21日、2024年1〜8月の中国発ショートドラマアプリの米国売上高が1億5100万ドル(約230億円)と海外売上高の64.8%を占め、米国が中国発ショートドラマにとって最大の海外市場になったと報じた。

「中国ショートドラマ業界発展白書(2024)」によると、2024年の中国ショートドラマ市場の規模は504億4000万元(約1兆1000億円)に達し、初めて映画の興行収入(約470億元)を超えた。ショートドラマアプリを手がける企業は国内市場にとどまらず、積極的にグローバル展開を進めている。

その先駆けとなったのが、中国デジタルコンテンツ大手・中文在線集団(COL Group)だ。同社の米国子会社Crazy Maple Studioが2022年8月にリリースしたショートドラマアプリ「ReelShort」は、米国のiOS向け無料エンタメアプリランキングで首位に輝いた。米調査会社センサータワーによると、2024年末時点のReelShortの課金収入は、世界全体で累計約8000万ドル(約120億円)に上ったという。

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北京点衆科技(Beijing Dianzhong Technology)が手掛ける「DramaBox」は、2024年の世界売上高が約1億4700万ドル(約230億円)に達したとみられる。また、九州文化(Jiuzhou Wenhua)が提供する「ShortMax」は、現地に合わせて制作したショートドラマを複数の国で打ち出し、月間アクティブユーザー(MAU)3000万人以上を獲得した。このほか、ネット大手も海外向けショートドラマアプリに力を入れており、24年にはバイトダンスがショートドラマアプリ「Melolo」を東南アジア向けにリリースしている。

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日本でも、中国発のショートドラマアプリが急成長している。日本で制作されたショートドラマをShortMax、DramaBox、ReelShortを通じて配信する「和雅文」の金光国CEOは「中国の海外向けショートドラマアプリは、日本でショートドラマ市場で9割以上のシェアを占めている」と語る。

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調査会社「点点数据」によると、DramaBoxの日本売上高は、2024年1月1日はわずか223ドル(約3万5000円)だったが、8月19日には500倍近くの10万7535ドル(約1700万円)に急拡大した。Shortmaxは、24年7月にリリースした日本向けショートドラマ『リベンジ!清掃員CEO・咲』が課金収入300万ドル(約4億7000万円)の大ヒットとなったほか、25年1月1日にリリースした新作『月明かりに君は誓った』も好評で、アプリのダウンロード数が急増。さらに、嘉書科技の「TopShort」や暢読科技の「MoboReels」も売上高を伸ばしている。

業界大手の中文在線集団も2024年11月、日本法人「COL JAPAN」を通じて日本向けショートドラマアプリ「UniReel(ユニリール)」をリリースし、日本市場に本格参入した。

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*1ドル=約155円、1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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