中国中古車市場、新車に肉薄 主役はEVへ 残価率改善で需要拡大
中国の中古車市場が急速に拡大している。「2026年中国中古車大会」で公表されたデータによると、今年1〜5月の新車販売台数は814万8000台、中古車取引台数は809万5000台となり、その差はわずか5万台ほどに縮小した。
市場拡大をけん引しているのが、新エネルギー車(NEV)の中古車需要だ。中国自動車流通協会によると、中古車市場に占めるNEVの取引比率(浸透率)は、2022年末の3.6%から26年4月には8.57%まで上昇した。中古車市場でも重心はガソリン車からNEVへと移り始めている。
中国ではNEVの普及開始から数年が経ち、初期の購入層による買い替えが進んでいるとみられる。中古車市場に流入するNEVの台数が増えたことで、価格帯や車種の選択肢も広がりつつある。
自動車情報プラットフォーム「懂車帝」で中古車事業を担当する趙志峰氏によると、今年1〜6月は中古NEVの閲覧数、成約件数ともに高い伸びを維持した。天津市在住の購入者は新華社の取材に対し、「ランニングコストが低く、価格も手頃だったほか、販売店の検査報告書が充実していたことも購入の決め手になった」と話す。
中でも残価率の向上が、中古NEV市場の拡大を支えている。中国自動車流通協会と自動車データサービス会社「精真估」の調査では、購入から3年後の残価率はガソリン車が46.1%、NEVが44.8%となり、両者の差はわずかとなった。従来は「リセールバリューが低い」とされたNEVだが、中古NEVの資産価値に対する評価が変わってきている。
消費者が重視するポイントも価格だけではない。バッテリーの劣化状況やモーター・電子制御システムの診断結果、メーカー保証の残存期間、さらにはスマートコックピットや運転支援機能といった装備へ広がっている。特に近年では、バッテリー性能や劣化診断技術の向上が、中古NEVへの不安を和らげていると見られる。
政策面でも市場拡大の追い風となる動きが続く。今年5月には重慶市が省レベルでは全国初となる中古車購入補助制度を導入し、条件を満たした購入者に補助金を支給すると発表した。また、中国自動車流通協会の崔東樹秘書長は、2020年以降、中古車の登録件数が6年連続で新車登録件数を上回っていると説明する。地域をまたぐ取引・登録手続きの簡素化が流通拡大を後押ししたという。
商務部によると、中国の中古車取引台数は2025年に初めて2000万台を突破した。中国自動車流通協会は、自動車保有台数の増加や買い替え支援策の継続に加え、NEVの普及や中古車輸出の拡大を背景に、中古車市場の成長は今後も続くとみている。
(36Kr Japan編集部)