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広州モーターショーで、一部の自動車メーカー幹部がロイター通信に対し、中国の自動車市場は来年、電気自動車(EV)で販売台数を持ち直せると期待していると述べた。しかし、国際格付け機関フィッチ・レーティングスから届いた格付レポートは楽観的な自動車事業者に冷水を浴びせることになるかもしれない。
フィッチは米証券取引委員会(SEC)公式認可の格付け機関で、世界の三大格付け機関にも数えられる。11月25日、フィッチは国際自動車工業連合会(OICA)のデータを引用して、世界の自動車販売台数は今年310万台減少し、その下げ幅は2008年を上回り、11年ぶり最大となる見通しだと述べた。さらに、自動車販売台数の減速は、世界の製造業にも打撃を与えると見られる。
「今の自動車販売状況は、我々が5月に予想していたより酷い」フィッチの主席エコノミスト、ブライアン・コールトン(Brian Coulton)氏は、2018年半ば以降、世界の自動車市場は低迷し、それが製造業の世界的衰退の主な原因になっている、と語る。
フィッチは5月のレポートで、世界の自動車市場は2019年に広範囲で安定し、2019年の自動車販売台数の伸びは0.5%に届かないものの、2020年には2%ほど増加するかもしれないと予測していた。
しかし、昨年、世界の乗用車販売台数は2009年以来初めて減少した。2017年の8180万台から8060万台にまで減らしただけでなく、2019年の世界販売台数が前年比4%減の約7750万台まで減少する可能性も出てきた。これは2008年の減少台数300万台を上回る。しかし、2008年の実質減少幅は5%だったので、それより下げ幅は少なくなるかもしれない。
フィッチは、世界最大の自動車市場である中国で、今年10カ月の新車販売台数が前年同期比で11%減少したことに着目した。中国の新車販売台数の減少は世界の自動車市場が下落した主要な要因の1つでもある。季節調整後の月次データは安定してきているが、回復の兆候はほとんど見られない。
コールトン氏は、CNBCとのインタビューで、信用貸付の伸びの鈍さ、中古車販売の増加、新たな排出ガス規制が新車販売台数を引き下げたと語る。
中国以外の新車市場も楽観を許さない。フィッチは、米国と西ヨーロッパの自動車販売台数が今年約2%減少して1690万台になると予測する。ブラジル、ロシア、インドの売上合計は5.5%減少すると見られる。自動車市場の冷え込みに伴い、GM、フォードなど自動車メーカーはみな生産量を減らしている。
フィッチは、中国の販売台数が約1%回復したとしても、世界の自動車市場が2020年に回復の兆しを見せることはほとんどないと考えている。コールトン氏によると、「これは、自動車市場が世界の製造業、特にドイツなど自動車産業に経済が大きく依存している国家に深刻な影響を与え続ける可能性が高いことを意味する」ということだ。
(翻訳・永野倫子)
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