筋電信号でロボットの学習データを収集——清華大発「OriginFlow」、設立5カ月で120億円超を調達
エンボディドAI(身体性AI)のデータ基盤を手がける中国スタートアップ「OriginFlow(淵澈太初)」はこのほど、設立から5カ月でエンジェルラウンドからプレシリーズAまで計3回の資金調達を終え、調達総額が5億元(約120億円)を超えたと発表した。藍馳創投 、緑洲資本 、58戦投、普華資本、Monolithなど複数の著名投資ファンドが出資した。
OriginFlowは2025年、清華大学の博士課程に在籍する秦深涛氏(2001年生まれ)によって設立された。主にロボット学習向けの高品質データ提供を事業とする。主要技術は独自のパラダイム「NeuroScale」。
動作の結果を記録する従来のデータ収集とは異なり、NeuroScaleは非侵襲型の運動神経インターフェースを用い、皮膚表面の筋電信号(sEMG)を取得する。その後、独自の基盤モデル「PULSE」によりエンコードし、手の姿勢、力加減、触覚フィードバックなどのマルチモーダルな連続情報を高精度で再構成する仕組みだ。なお、OriginFlowのデータ収集デバイスは1000元(約2万3000円)程度と低コストで、導入障壁が低く、多様な環境での大量展開に適しているという。
OriginFlowは現在、産業製造と家庭サービスの2大領域に注力している。産業側では製造業パートナーと共同で現場でのデータ収集環境を整える。家庭側では58グループなどと連携し、衣類整理や家庭清掃、調理といったなど頻度の高い家事の実データを集め、家庭サービスロボットのスキルデータベースを構築している。
秦氏は、エンボディドAI分野のデータ不足は短期間で解消できるものではないと指摘する。その上でOriginFlowは、エンボディドAIのデータインフラを定義することを目指す。将来的には次世代のヒューマン・マシン・インターフェース(HMI) となり、医療リハビリや空間コンピューティングなどの分野へ広げる可能性もあるとしている。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)