失速のマセラティ、ファーウェイ陣営に活路か EV共同開発を協議

中国通信機械大手の華為技術(ファーウェイ)が主導する電気自動車(EV)ブランド連合「鴻蒙智行(HIMA)」と国有自動車メーカーの江淮汽車(JAC)」は、欧州ステランティス(Stellantis)グループ傘下の「マセラティ」と新エネルギー車(NEV)の共同開発について協議を進めている。複数のメディアが関係者の話として報じた。この提携は昨年初めから進められており、現時点では正式な契約はまだ締結されていないものの、開発作業はすでに進行中だという。最初のモデルは現在設計段階にあり、2026年下半期の量産開始を計画している。

提携モデルは鴻蒙智行が展開する「五界(5つの共同ブランド)」体系をベースとする。なお「五界」は、次の5ブランドで構成される。

・問界(賽力斯/SERES)
・智界(奇瑞汽車/Chery Automobile)
・享界(北京汽車/BAIC)
・尊界(江淮汽車)
・尚界(上海汽車/SAIC)

ファーウェイが仕様策定やコンセプト定義を主導し、スマートコックピット、自動運転、電気駆動などフルスタックの中核技術を提供する。江淮汽車は共同開発を行い、高級車ブランド「尊界(MAEXTRO)」のスーパーファクトリーを拠点に生産・製造を担当する。マセラティはブランド力と車両デザインに特化する。このモデルは「同一車種、別ブランド」という方式を採り、中国市場向けには尊界ブランド、海外市場向けにはマセラティのエンブレムを装着する。

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今回の協議の背景には、マセラティおよびステランティスが深刻な業績不振に直面していることがある。マセラティの2025年の世界販売台数は約7800台にとどまり、2023年の2万6600台から7割以上急減し、2012年以来の最低水準となった。親会社のステランティスは2025年通期で223億ユーロ(約4兆1000億円)の純損失を計上したが、その主な要因は、以前の電動化戦略への投資を大規模に撤回したことに伴う巨額の減損処理にある。

ファーウェイと江淮汽車にとって、今回の提携が実現すれば、マセラティの世界的なブランド力と販売網を活用し、中国のスマートEV技術を欧州の高級車市場に展開することになる。現時点では、各社とも提携の進捗について公式な声明を発表していない。

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*1ユーロ=約186円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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