中国発3Dプリンター「Snapmaker」、240億円調達 ヒット製品「U1」で売上10倍

中国発の3Dプリンターメーカー「快造科技(Snapmaker)」がこのほど、新たに10億元(約240億円)を調達した。凱輝基金(Cathay Capital)が出資を主導し、好未来(TAL)の戦略投資部門が参加。中国生活関連サービス大手、美団(Meituan)の戦略投資部門や美団龍珠(Meituan DragonBall)、高瓴創投(GL Ventures)、順為資本(Shunwei Capital)など既存株主も大規模な追加出資を行った。今回の調達額は、2025年以降のコンシューマーハードウェア分野で屈指の規模となったほか、過去2年間の消費者向け3Dプリンター分野では最大規模となる。

Snapmakerは2016年8月に深圳市で設立された、消費者向け多機能3Dプリンターのパイオニア企業。創業半年後にクラウドファンディングサイトKickstarterで「Snapmaker Original」を発表し、220万ドル(約2億円)を調達して事業をスタートした。1台で3Dプリント・レーザー彫刻・CNC彫刻の3機能を備えたモジュール式デスクトップ機というコンセプトを打ち出し、2020年には主力製品「Snapmaker 2.0」がCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でイノベーション賞を受賞している。

2026年4月10日から主要市場で最新のフラッグシップ機「U1」を発売。独自のヘッド切り替えシステム「SnapSwap」により最大4色・4素材のプリントに対応し、消費者向け3Dプリント市場でのポジションをさらに強化している。この「U1」シリーズのヒットにより、同社は売上高を前年同期から10倍に伸ばした。

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多色・多素材が消費者向け3Dプリンターの主流に

過去10年、消費者向け3Dプリンターはコンセプト段階から徐々に実用化へと進んできた。しかし、長らく単色・単一素材が中心だったため、利用するのはエンジニアやマニア、一部の消費者に限られていた。仕上がりがいまひとつで、使い勝手もよくないことが、普及を阻む大きな壁となっていた。
その壁を破りつつあるのが、複数の素材にも対応した多色印刷技術だ。快造科技の最新のフラッグシップ機「U1」が市場を開拓するうえでも、この技術が大きな鍵となっている。

デスクトップ型の3Dプリンターで、複数の素材や色を使って仕上げられるようになれば、単色の部品を印刷してから組み立てるのではなく、完成品を直接プリントできる。こうした進化によって、3Dプリンターが一般消費者にとってより身近なものになりつつある。

しかし、多色・多素材印刷を本格的に普及させるには、なお課題が残されている。

現在、業界で主流となっている多色印刷方式は、ノズルが1つのため、色を変えるたびに材料の入れ替えや洗浄などの工程が必要となるほか、大量の廃材も発生し、場合によっては印刷に数十時間を要する。さらに、この方式では複数の素材を組み合わせた印刷にも対応しにくく、全体的な使い勝手は、一般消費者が日常的に使えるレベルには達していない。

快造科技は、難易度の高い技術アプローチでこの課題の解決に挑んだ。U1には、4つの独立したツールヘッドとヘッド切り替えシステムSnapSwapを採用し、多色・多素材印刷の工程を一新した。従来方式と比べ、印刷効率は5倍に向上し、材料ロスも約80%削減するなど、3Dプリントの仕組みそのものを刷新した点が特徴だ。

市場の反応も、この方向性の正しさを裏付けている。U1は、Kickstarterで2万人超のユーザーから2061万ドル(約33億円)を集め、3Dプリンター分野の新記録を打ち立てた。過去半年、快造科技はクラウドファンディングでの反響を足がかりに量産・出荷へと移行し、新製品の市場投入を軌道に乗せた。現在、U1の出荷台数は10万台を超えている。

「印刷できる」から「創りたくなる」へ

快造科技は、次のビジネスチャンスは「つくる楽しさ」を軸としたエコシステムの構築にあるとみる。3Dプリンターを入り口に、消耗品で継続的なリピート購入を促し、コンテンツコミュニティーを通じてユーザーの定着を図る。さらに、AIによってものをつくるハードルをさらに下げていく考えだ。

今後は、製品単体の提供から体系的なエコシステム構築へと事業を広げ、「つくる」ことを楽しめる環境を整えていく。そして、誰もが思い描いたものを自由に形にできる未来を目指す。

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*1元=24円、1ドル=160円で計算しています。

(翻訳・HU XIN)

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