「硬さ」が変わるロボット関節、中国新興が20億円調達 人との協働に照準
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ロボットの関節モジュールを開発する中国スタートアップ「航墨科技(HAMOOBot)」はこのほど、エンジェルラウンドで1億元(約20億円)近くを調達した。出資には中投万方(Zhongtou Wanfang)、三賢科技(Sanxien Technology)、北航天匯(Beihang Tianhui)などが参加。資金は主に製品の開発やプロモーションに充てられる。
2022年に設立された航墨科技は、スマート可変剛性関節(Variable Stiffness Joint)技術を手がけ、この中核技術を採用したロボット関節モジュールと、人工知能(AI)を搭載した消費者向け外骨格デバイス(パワードスーツ)を展開している。ヒューマノイド(人型ロボット)の産業化が進むのに伴い、関節モジュールは単なる駆動部品にとどまらず、安全性やエネルギー効率、運動能力を決める重要な役割を担うようになった。
ロボットの関節は長らくジレンマを抱えてきた。剛性が高い関節モジュールは高精度で制御しやすいが、突発的な衝撃や人間との接触による外力を吸収できずに、損傷や事故につながることが多かった。また、従来の可変剛性ソリューションは安全性に優れている一方、動きの精度や反応速度が不十分だった。
航墨科技が主力とするスマート可変剛性関節モジュール「FlexmoJoint」は、耐衝撃性やエネルギー回生システム、さまざまな可変剛性を備えた中国初のソリューションを打ち出した。従来の剛性関節に比べ、外力推定誤差を23%、エネルギー消費を31.2%低減したうえ、フレキシブル駆動、低コストモーター、マルチモード制御の技術によって関節モジュールのコストを大きく引き下げた。
まずは、産業用ロボットへの搭載が進められている。ロボットが人や物体と接触しても、外力をいなす機械構造によって衝撃を吸収しながら、制御システムが動きを調整することで、人とロボットが協働する際の安全性を高められる。同社は顧客と協働ロボット、ヒューマノイド、ロボットアーム、四足歩行ロボットなどを共同開発中で、工場での実証実験も始めており、特にワイヤーハーネスの組み立てや電子部品の製造など、柔らかい材料を扱う工程での導入を目指している。

IRMO M1
2025年には消費者向け脚部用外骨格デバイス「IRMO M1」もリリースした。アウトドアスポーツ向けのこの製品は、カメラやLiDAR、AIアルゴリズムを組み合わせ、階段や坂道、芝生、砂地などさまざまな地形を認識し、アシストする力や関節保護の制御をリアルタイムに調整する。また、ユーザーの歩き方を継続的に学習し、姿勢や関節にかかる負荷といったデータを分析する。クラウドファンディングでの調達額は累計700万元(約1億6000万円)を超え、「世界初の全地形対応・ビジョンベースAI外骨格」と称されている。
創業者の代万輝氏によると、同社は今後も産業用ロボットの普及を後押ししながら、ワイヤーハーネス・電子部品の組み立て、アパレル製造などの分野で競争力を高める方針だ。また、「Apple Watch」のエコシステムを参考に、外骨格デバイスを通じて収集した関節動作データを使った新たなサービスの提供も計画している。

*1元=約23円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)