中国・天機智能、アントなど大手ITの出資が相次ぐ 折り畳み型ロボ「Luna」を世界展開へ
中国のロボットメーカー「広東天機智能系統(Guangdong TianJi Intelligence System)」(以下、天機智能)はこのほど、シリーズBで2回目となる追加ラウンドでの戦略的資金調達を完了した。アント・グループとベルギーの投資会社Sofinaが共同で主導し、高榕創投(Gaorong Ventures)やテンセントなどの既存株主も追加で参加した。調達した資金は主に技術開発、量産体制の拡大、グローバル市場での事業展開に充てる。
天機智能は2026年5月にも、シリーズBとその追加ラウンドで合計10億元(約230億円)を調達したばかり。高瓴創投(GL Ventures)と美団の戦略投資部門が共同で主導し、当時公表された資金調達後の企業評価額は100億元(約2300億円)近くだった。今回の調達により、テンセント、美団、アント・グループなど中国の大手IT企業が相次いで株主に加わったことになる。
天機智能は2015年設立で、広東省東莞市に本社を置く。当初は主に産業用ロボットを手がけていたが、現在は人型ロボット(ヒューマノイド)などエンボディドAI分野にも事業を広げている。同社はモーションコントロールシステムやMEMS式関節トルクセンサー、関節一体型モジュールを独自開発している。また、全関節で力制御に対応するバイオニック双腕ロボット「Marvin」シリーズを展開。主要部品からモーション制御、力制御型の人型ロボット向け双腕までをカバーする製品体系を構築している。
中でもこのMarvinシリーズは急速な規模拡大を見せる製品だ。現地メディアによると、2025年には約4カ月間で力制御型の人型ロボット用双腕を2000台以上納入した。2026年1~3月期には受注残が1万台を超え、顧客は世界45社の人型ロボットメーカーやエンボディドAI企業に広がっている。

天機智能はこうした技術を基盤に、ロボットブランド「Gento」も立ち上げた。第1弾製品「Luna」は、全方向移動が可能な車輪式台車と折り畳み式のボディを採用し、全身力制御システムを搭載する。自由度は26、片腕の可搬重量は6キログラム。全高は展開時1.7メートル(m)で、折り畳むと最小0.79mまで低くできる。Lunaは家庭向けサービス、研究・教育、産業設備の点検などを想定している。すでに中国国内外の顧客から受注を獲得しており、納入も開始している。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)