世界スマホゲーム課金額1位はソニー「FGO」、中国系ゲームも大躍進―モバイル市場年鑑2020

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世界スマホゲーム課金額1位はソニー「FGO」、中国系ゲームも大躍進―モバイル市場年鑑2020

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モバイルインターネット時代の昨今、交流サイト(SNS)、ゲーム、小売り(EC)などの業界では大きな変化があった。

1月中旬、米アプリ分析会社「App Annie」が「モバイル市場年鑑2020」を発表した。2019年の世界のモバイル関連分野の傾向を振り返り、モバイルインターネットが各産業およびグローバル経済に与えた影響を分析。今年度のモバイル関連市場の動向を予測した。

データによると2019年、全世界におけるアプリダウンロード回数は過去最高となる2040億回を達成、3年間で45%増加という驚異的なその伸び率となった。米国、日本、韓国といった成熟市場のほか、インド、ブラジル、インドネシアなどの新興市場においてもダウンロード数は想像を超え、世界のアプリストア全体におけるユーザー消費は1200億ドル(約13兆円)に達し、16年の2.1倍になった。

スマホとユーザーの距離はいっそう縮まり、昨年にユーザーがスマホに費やした時間は一日平均3.7時間だった。これほどユーザーを惹きつけ、オーディエンスの幅広いモバイルインターネットは広告媒体としても支持されており、昨年1年間だけで1900億ドル(約20兆円)の広告費を創出した。今年は世界のモバイル向け広告費が前年比で26%増え、2400億ドル(約26兆円)に達する見通しで、モバイル産業が最も輝く一年になるとみられる。

中国もモバイル産業の成熟市場となり、アリババ、テンセント、バイトダンス(字節跳動)などの優れた企業を輩出。国内にとどまらずグローバル市場でも成功をおさめた。

世界でも人気止まらないTikTok

2019年のダウンロード数ランキングでは、バイトダンスのショート動画アプリTikTokが人気アプリ部門の第4位にランクインした。

最近はソーシャル(SNS)とエンタメ系アプリの境界線はなくなりつつある。TikTokも動画を撮影・編集・シェアする機能をひとつにまとめ、ソーシャルとエンタメが一体化したアプリに成長した。同アプリが世界中で利用された時間を合計すると、2019年は前年比210%増の680億時間を超えた。これは急速な海外展開と既存ユーザーの定着度が向上したことが貢献している。

同年、中国人ユーザーによるTikTok(中国国内版では「抖音」)の利用時間が全体の8割を占めたが、インド、パキスタン、インドネシアなどの新興市場が大幅に伸び、海外でも成功をおさめた。

モバイルゲームではテンセントが先行、「ドン勝ち」課金ブームは続く

2019年、世界のゲーム市場全体におけるスマホゲームの割合は56%を占め、世界で最も人気のゲーム形式となった。モバイルゲームユーザーの課金額は継続して伸びており、昨年の支出総額は、その他プラットフォーム(PCゲーム、家庭用ゲーム機など)の総額の1.25倍となった。世界のモバイルゲームユーザーによる支出は今年、1000億ドル(約11兆円)を突破する見通しだ。

昨年に人気を博したのは、サバイバルシューティングゲームだ。同年のダウンロード数を見てみると、第1位はシンガポール「Sea Group」の「Garena Free Fire – 真冬の雪祭り」、続いてテンセントの「PUBG MOBILE」が第2位を占め、米アクティビジョン・ブリザードとテンセントが共同開発した「CoD(コール オブ ビューティ)モバイル」もトップ10にランクインしている。このタイプのアクション系ゲームはダウンロード数だけを見るとゲーム全体のわずか18%だが、プレイ時間では55%のシェアを占める。「PUBG MOBILE」はアンドロイド端末によるプレイ時間が世界首位のアクション系ゲームでもある。

2019年の世界モバイルゲーム売上ランキング第1位は、ソニーゲームの『Fate/Grand Order』(『FGO』)だった。テンセントも課金力でゲーム各社をリードしている。「オナー・オブ・キングス(王者栄耀)」の課金額は世界2位で、「PUBG MOBILE」もトップ10圏内だ。このほかネットイース(網易)の「Fantasy Westward Journey(夢幻西遊)」が7位にランク入りし、テンセントに並ぶ高い課金力をもつゲーム会社となった。

アリババは越境ECでグローバルに勢力を伸ばす

2019年、世界の通販系アプリのダウンロード数は20%増加し、54億回を超えた。電子商取引(EC)とオンライン・オフラインの融合(OMO)というショッピング方法は、ますます消費者からの支持を得ている。

モバイル上で検索・比較・購入までおこなう消費者が増え、顧客ロイヤルティが高まり、オンラインとオフラインのコンバージョン率を押し上げた。中国ではモバイルECサイトが増えており、昨年に最も躍進した通販系アプリのランキングでは、地方在住ユーザーにターゲットを絞ったECサイト「拼多多(Pinduoduo)」が1位、次いで京東商城(JD.com)、3位はリユース品専門サイト「閑魚(Xianyu)」の順となった。ECサイトの差別化が進み、新たな勝負の場となっている。

中国EC企業の代表格アリババは、2019年「双11(ダブルイレブン)」のたった一日だけで取引総額384億ドル(約4兆円)を創出した。またで海外で展開する越境EC「AliExpress(全球速売通)」は、米アマゾン、米eBay(イーベイ)などの老舗と競合するなかブレークスルーを実現し、米国、韓国、ロシア、ブラジルなどの国で人気を集めた。アプリの起動回数が増え、その前年比増加率は各国でトップ5に入る。

モバイルインターネット時代は、企業のデジタル化に向けた構造転換を促しただけでなく、消費者の生活スタイルも大きく変えた。中国企業の海外進出は容易ではなく、成功しようが失敗しようが2020年には新しい市場での新たな課題に直面するだろう。
(翻訳:貴美華)

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